今年(2017)の3月で高校卒業を迎え、得意な簿記を活(い)かせるスーパーマーケットの事務職に就(つ)く。4月からは実家を離れ、会社の寮での一人暮らしが始まるが、新生活では「ノーミート料理」に挑戦していきたいという。

TSさん 愛知県・高校3年 取材●原口真吾(本誌)撮影●永谷正樹 自宅のキッチンでお母さんと。「まだ包丁の扱いに慣れていません」と、Tさん

TSさん 愛知県・高校3年
取材●原口真吾(本誌)撮影●永谷正樹
自宅のキッチンでお母さんと。「まだ包丁の扱いに慣れていません」と、Tさん

 小学校の頃から算数が好きだったTさんは、中学生になると、将来経理の仕事をしたいと思うようになった。名古屋市内の商業高校に進学して簿記会計を学び、愛知県と岐阜県に出店しているスーパーマーケットから、昨年(2016)、経理職の内定をもらった。

「4月から親元を離れ、会社の寮で一人暮らしになりますが、これからも肉食を控(ひか)えたノーミートの生活を続けていきたいです」

突然のノーミート生活

 Tさんがノーミート料理を意識するようになったのは、昨年(2016)3月のこと。「食卓に肉類が上らなくなって不思議に思ったんです。妹は、その日の献立をフェイスブックに上げていました」  

 白鳩会(*1)員のお母さんは、当時、生命学園(*2)でノーミートについて講話をすることになっていたという。

 生長の家では肉食を控えるノーミートの生活を勧めている。肉食は殺生(せっしょう)という宗教上の問題だけではなく、家畜を育てるのに大量の穀物飼料が必要で、もしも肉食をやめれば、世界の飢餓問題を解決するのに十分な穀物量が確保できること。さらに、大量の家畜の糞尿(ふんにょう)が河川に流出して水質を汚染し、ゲップに含まれるメタンガスは地球温暖化の一因になっているという理由からだ。 お母さんは、そうした知識はあったが、子どもたちが部活動で運動部に所属していたこともあり、それまでノーミートは難しいと感じていた。

「ですが、まずは私たちの家庭の食生活を変えないと、生長の家の講師として話をすることができませんでした。そこで、料理の品数を増やしたり、具だくさんにしたりと色々工夫したんです」

 母親の話を隣で聞いていたTさんが微笑(ほほえ)む。

「私はバスケットボール部にいたので、最初は物足りないという気がしていました。そんな時に母から、ノーミートの話を聞いて、素直に納得できました。最近はお肉を食べたいという気持ちもなくなってきました」

心を明るく保つことの大切さ

 Tさんは生長の家を信仰する両親の元に生まれ、生命学園を通して「人間・神の子」の教えに触れた。 「最初は、友だちと遊ぶのが楽しくて通っていました。小学校6年の頃には、心に描いたものが現象として現れるという『心の法則』を学び、明るいことや人のよいところを見つけて、まず自分の心を明るく保つことが大切だと教えてもらいました」

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 Tさんが中学生の時のこと。思ったことをストレートに口にするクラスメートがいて、苦手に感じていた。しかし、Tさんが彼女のよいところに気づくようになってから、友だちになることができたという。

「修学旅行で写真を撮る時に、その子が一緒だったんですが、変顔(へんがお)をしてみんなを笑わせてくれたんです。『あっ、こんな楽しいところもあるんだ』って気づいてから苦手意識がなくなり、少しずつ話をするようになりました。今ではすっかり仲良しです。苦手に思える人でも、よいところを見つけることが大切だと実感しました」

 また、小学4年生から始めたバスケットボールでは、こんなことがあった。

「中学ではみんな仲良くバスケをしていましたが、高校では気の強いメンバーが多くて、1年生の時は試合に出られる部員と、それ以外の部員との間で、上下関係ができたりしていました」

 そんな中でも、Tさんは、メンバー1人ひとりのよいところを見つけるように心がけたという。

「2年生になった頃から、みんなで心を一つにしようという雰囲気になって、仲の良いチームになっていきました。時間はかかりましたが、私が見るようにしていたチームメートのよいところだけが出てきたんです」 と嬉(うれ)しそうに話す。

「これから社会に出ていきますが、新しい環境でも、職場のみんなのよいところを見つけていきたいと思います」

ノーミートのお弁当を職場に    

 現在は一人暮らしに向けて、ホットケーキやチャーハンなど、簡単な料理は自分で作るようにしている。

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「家の食事の手伝いをするようになって、普段の食生活を見直すきっかけにもなりました。栄養バランスなど、外食をするときも注意しています」 

 また、ノーミート料理になってから、野菜や豆腐などの素材の味がよく分かるようになった。これからは、料理の得意な母親を見習って、野菜をおいしく食べられるオリジナル料理にも挑戦していきたいという。

「生長の家を信仰していたからこそ、ノーミートに出合えました。職場にもノーミートのお弁当を持っていきたいです。お弁当のおかずの話をしながら、ノーミートをおすすめできたらなと思います」

*1 生長の家の女性の組織
*2 幼児や小学児童を対象にした、生長の家の学びの場