桑原多佳子(くわはら・たかこ)さん│57歳│和歌山県田辺市 「絵画教室は、最初3カ月でやめようと思っていたんですが、やってみると楽しくてすっかり夢中になりました」 取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘

桑原多佳子(くわはら・たかこ)さん│57歳│和歌山県田辺市
「絵画教室は、最初3カ月でやめようと思っていたんですが、やってみると楽しくてすっかり夢中になりました」
取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘

 和歌山県の南部に位置し、海と山に囲まれた田辺市に暮らす桑原多佳子さんは、何気ない日常の情景を、優しいタッチのパステル画で描いている。

 鍬を手に畑を耕すお義母(かあ)さんの姿を描き、昨年(2018)の生光展(*1)で優秀賞に輝いた『ケイトウの咲く畑』をはじめ、子供と愛犬が遊ぶ場面や、郷愁を誘う地元の町の風景など、どの作品もほのぼのとした雰囲気を放つ。

昨年(2018)の生光展で優秀賞を受賞した『ケイトウの咲く畑』(10号)

昨年(2018)の生光展で優秀賞を受賞した『ケイトウの咲く畑』(10号)

「ふと目に留まったものや景色など、『あっ、これいいな』と思ったら、写真に撮って、作品の題材にしています。絵を描くようになって、身近にある美しさや面白さに気づかされることが多くなりました」

 パステル画を始めたのは、次男が保育園に通うようになった平成11年。子育ての気分転換のためにと、カルチャーセンターで開かれる絵画教室のパステル画コースで基礎を学んだ。

 必要な道具が少なく、準備や片付けの手間もかからないパステル画は、家事や育児の合間を見つけて描くことができた。続けていると心が潤い、癒やされている自分に気づくようになった。

「どこにどんな色を置こうかとか、細かい部分を無心で描き込んでいると、すごくリラックスして、おおらかな気持ちになっているのがよく分かるんです」

 生長の家の教えには、20歳の頃、弟が家に置いていた『人生読本』(生長の家創始者・谷口雅春著。日本教文社刊)を読んで触れた。その後、結婚し、2人の息子の子育てに奮闘していた30代前半の頃、近所に住む地方講師(*2)と知り合い、誌友会(*3)や母親教室(*4)に参加するようになった。

次男と愛犬が遊んでいる瞬間をいきいきと描いた作品

次男と愛犬が遊んでいる瞬間をいきいきと描いた作品

「『人間は神の子』という教えの素晴らしさは知っていましたが、その頃は、ちゃんと子供を育てないとと思うあまり、自分で自分を縛っていたんですね。そんな時に『子供は神様が育ててくださるから、親があれこれ心配する必要はない』と教えられ、楽な気持ちで子育てができるようになったんです」

 現在、白鳩会(*5)の支部長として生長の家の活動をしているほか、民生委員も務めて地域に貢献するなど、忙しい日々を送る。そんな中にあっても、絵と向き合う時間を大切にしている。

「あれこれと動き回っている毎日だからこそ、少し立ち止まって、日常の中にある美しさに感動する心を忘れずにいたいですね。パステルのふわりとした色合いや感触に癒やされながら、これからも絵を続けていきたいと思います」

 そう語る桑原さんは、パステル画のような柔らかな雰囲気に包まれていた。

*1=生長の家芸術家連盟美術展 
*2=生長の家の教えを居住地で伝えるボランティアの講師
*3=生長の家の教えを学ぶ小集会 
*4=母親のための生長の家の勉強会
*5=生長の家の女性の組織