三好雅則(みよし まさのり)  昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

三好雅則(みよし まさのり) 
昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

 生長の家国際本部“森の中のオフィス”に設置しているニホンミツバチ用の巣箱には、しばしばハチが営巣する。が、このハチは神経質で、巣を放棄していなくなってしまうことがよくある。先日、その巣に残された蜂蜜をいただいた。“天然由来の宝物”、その複雑で深い味わいに思わず頬がゆるんだ。

 ところで、今、養蜂家はもとより、環境の専門家が危惧しているのが、セイヨウミツバチ(以下ミツバチ(*1))が数万匹の群ごと消えてしまう蜂群崩壊症候群だ。十数年ほど前、北半球のミツバチの4分の1が消えたと米国で問題になり、その後、欧州や日本などでも同様の現象が起きている。

 その要因の一つと疑われているのが、ネオニコチノイド系農薬(*2)である。欧州では使用禁止の国もあるが、農水省は、日本では蜂群崩壊症候群は認められないと使用を許可しており、養蜂家たちは、このままでは、10年でミツバチが絶滅してしまうのではないかと警告する。

イラストは筆者

イラストは筆者

「ミツバチが消えたくらいで大げさな」、そんな声も聞こえてきそうだが、事態は、養蜂業の崩壊、それに伴う蜂蜜の高騰くらいでは済まない。私たちの食べる作物の受粉に、大打撃を与えることが必至なのである。世界の食料の90%を賄う約100種類の作物種(カボチャ、キュウリなどの野菜やリンゴ、ナシなどの果樹等)の実に70%以上の受粉を、ミツバチが担っている(*3)からだ。

 私たちは、あの愛らしいミツバチが姿を消していくのを、ただ座視していてはならないのである。

参考文献
エドワード・O・ウィルソン著『創造 生物多様性を守るためのアピール』(紀伊國屋書店)●岡田幹治著『ミツバチ大量死は警告する』(集英社新書)●吉田忠晴著『ミツバチの不足と日本農業のこれから』(飛鳥新社)他

*1=日本にいるミツバチ2種のうち、産業養蜂種として世界中に導入されているハチ。もう一種がニホンミツバチ
*2=ハチを含む生態系への影響が懸念される農薬
*3=2016年3月15日、国連環境計画(UNEP)日本語情報サイト