NPO法人富士山クラブ│山梨県富士河口湖町 夏、繁殖のため河口湖に飛来したオオヨシキリ 取材/原口真吾(本誌) 写真提供/富士山クラブ

NPO法人富士山クラブ│山梨県富士河口湖町
夏、繁殖のため河口湖に飛来したオオヨシキリ
取材/原口真吾(本誌) 写真提供/富士山クラブ

 平成12年、富士山に初めてのバイオトイレを設置した「NPO法人富士山クラブ」は、山麓の景観や環境を保全する清掃活動、生物多様性を守るため、特定外来種の植物の駆除を中心とした活動を展開している。集めたゴミは分別して回収し、特定外来種については、定期的に刈り取ることで生態系のバランスを保っている。そうした活動の他、自然環境保護に向けた環境教育も行っている。

 富士山麓の景観と自然環境の保護を目的に、富士山クラブが発足したのは、平成10年のこと。2年後の平成12年には、初めてのプロジェクトとして、富士山5合目の登山口に、バイオトイレを設置した。このトイレは、トイレ横に設置された処理槽内の杉チップが排泄物に吸着して微生物が分解し、最終的には堆肥になるという仕組みになっている。

 現在は、富士山にある16全ての山小屋、山頂にもバイオトイレが設置され、年間20数万人と言われる登山客に利用されている。

 富士山クラブが力を入れているのは、世界遺産に登録された富士山麓の自然環境を守るため、月1回、実施している清掃活動。参加者は、一般、協賛企業の社員が中心となっているが、平成16年から昨年までの14年間で、延べ7万1千人に上っている。

上:捨てられたタイヤも回収/中:回収されたゴミは分別され、可能な限りリサイクルされる/下:道路脇に生い茂ったオオキンケイギクの駆除活動

上:捨てられたタイヤも回収/中:回収されたゴミは分別され、可能な限りリサイクルされる/下:道路脇に生い茂ったオオキンケイギクの駆除活動

 清掃活動は、紙くず、ペットボトル、タバコの吸い殻、空き缶の他、タイヤや家電など処分に費用がかかるゴミが捨てられている山麓や富士五湖周辺の道路脇などで行っている。

 14年間で回収したゴミは822トン。ゴミは全て分別し、ビンや缶、ペットボトルなどはリサイクル工場に回している。

 富士山の山麓には、オオキンケイギク、アレチウリなどの特定外来種が多く茂る。その影響で、在来の植物が減少し、昆虫や動物が姿を消して生物多様性が損なわれることから、富士山クラブでは、特定外来種を定期的に刈り、生態系のバランスの維持に努めている。

 また、こうした活動への理解を深めてもらうため、企業や学校を訪問して環境教育をしている他、トレッキングなどを実施し、富士山麓の自然に触れる機会を提供している。

 富士山クラブ環境教育・山歩き担当の中本宏幸さんはこう語る。

「根本的な解決は難しいですが、継続的に活動を続け、少しずつ改善していきたいと思っています。これからも、皆さんと美しい富士山麓の自然環境を守っていきたいですね」

問い合わせ先

http://www.fujisan.or.jp/index.html
TEL/0555-20-4600