御殿場市民のリサイクル・リユース活動の受け皿となり、行政などと協働して資源の回収に取り組んでいるNPO法人「エコハウス御殿場」。他にも小中学校での環境教室やリサイクル手芸教室などを主催して、環境問題の啓発活動にも力を入れ、市民を主体とした環境保全活動による、資源循環型の低炭素社会の実現を目指している。

NPO法人 「エコハウス御殿場」 │静岡県御殿場市 不要品を紹介するメッセージボード 取材/原口真吾(本誌) 写真/堀 隆弘

NPO法人 「エコハウス御殿場」 │静岡県御殿場市
不要品を紹介するメッセージボード
取材/原口真吾(本誌) 写真/堀 隆弘

 御殿場市のリサイクル・リユースの拠点として、平成13年に設立された「エコハウス御殿場」では、古着や古布をはじめ、食用油、古紙、アルミ製品、携帯電話などを回収している。古着や古布は、月平均3.7トンが集まり、きれいなものは施設内で販売し、それ以外は業者を介して発展途上国へ送ったり、汚れを拭き取るウエスなどに再生する。

 家庭や飲食店から出る食用油は、同エコハウスが販売する「復活君せっけん」にしたり、バイオディーゼルにしている。また、エコハウスが始めた生ゴミの回収と堆肥化は、一般廃棄物処理事業協同組合「ゆめかまど」が市から委託を受けて引き継ぎ、できた堆肥は、市内の農家だけでなく一般家庭でも使われている。

上/持ち込まれた食用油をドラム缶に移す/下:食用油が原料の「復活君せっけん」

上/持ち込まれた食用油をドラム缶に移す/下:食用油が原料の「復活君せっけん」

 理事長の勝又さつきさんは、「地域で不要になったものを、リサイクル・リユースして、できる限り地域に返すようにしています。低炭素社会の実現のためには、地域内での小さな循環ということが、大切な考え方だと思っています」と語る。

 エコハウスの入口には、不要品を紹介するメッセージボードを設置し、地域の広報紙でも通知している。取材の日には、中学校に入学する娘の制服を探していた人と、引っ越しで新品同様の制服が不要になり、リユースに出した人の思いが一致して制服の売買が成立した。

 また、地球環境問題の啓発活動にも力を入れ、小中学生を対象に古紙を原料に紙すきして葉書を作ったり、廃油からせっけんを作ったりしている。毎年8月に開かれる「エコアクション」では、市内の小中高生から富士山の環境保全や河川の美化、温暖化防止策などの環境改善提案が発表され、提言書にまとめて市長に提出している。一方、大人を対象にしたリサイクル手芸教室なども毎月行われ、中でも古い着物のリメイクは人気を集めている。

 昨年(2018)、「御殿場市エコガーデンシティ構想」が策定された同市では、積極的な温暖化対策や環境保全などの取り組みが始まり、手応えを感じているという勝又さんは語る。

「市民、事業、行政が、パートナーシップをとって環境保全活動に取り組んできた甲斐がありました。これからも、資源循環型の低炭素社会の実現を目指して、環境に配慮したライフスタイルの提案と環境教育に力を入れていきたいと思います」

問い合わせ先
https://ecogotenba.jimdo.com/
TEL/0550-88-3337