坂崎和佳(さかざき・わか)さん│43歳│熊本県錦町 「美は至る所に満ち溢れていますね」と語り、愛用のカメラを構える坂崎さん。近所の名刹、新宮禅寺で 取材/佐柄全一 写真/堀 隆弘

坂崎和佳(さかざき・わか)さん│43歳│熊本県錦町
「美は至る所に満ち溢れていますね」と語り、愛用のカメラを構える坂崎さん。近所の名刹、新宮禅寺で
取材/佐柄全一 写真/堀 隆弘

 熊本県南部の人吉市に隣接する球磨郡錦町。時折、牛の鳴き声が響くのどかな田園の中に、坂崎和佳さんが営む「ヘアサロンDeaR」がある。

 明るい色調で統一された店内を見渡すと、至る所に風景や猫などの写真パネルが架けられていた。いずれも坂崎さんが撮影したもので、フロアの隅にあるカウンター席には、これまでの作品を収めたアルバムが置かれ、店を訪れた人たちが自由に鑑賞できるようにしている。

最新作を収めた閲覧用のアルバム。左下は水晶玉を使った写真、その上は、愛猫の「モモちゃん」を撮った写真

最新作を収めた閲覧用のアルバム。左下は水晶玉を使った写真、その上は、愛猫の「モモちゃん」を撮った写真

「好きなのは空の風景で、特に夜明けや夕暮れの景色に、強く惹かれます。猫の写真が多いのは、飼い猫のモモがいつも目の前にいるからですね(笑)」

 作品は、インスタグラム(*1)で紹介して好評を博しているほか、昨年には、初めて地元の「人吉球磨総合美展」の写真部門に出品し、入選した。

「最近は、水晶玉を用いた写真にはまっています。水晶玉を置いて風景を撮影すると、水晶玉が魚眼レンズのように作用して、背景の風景と水晶玉に映った風景が二重映しになって、幻想的な光景が現れるんですよ」(写真参照

美容室の定休日には、こうして写真撮影に出かけている

美容室の定休日には、こうして写真撮影に出かけている

 写真に目覚めたのは、現在の美容室を開いて2年後、子宮頸がんを患って入院していた32歳の時。病気を機に、以前から母親に勧められていた生長の家の教えを学ぼうという気になった坂崎さんは、手術後、病室で聖経『甘露の法雨(*2)』 を読み、写経するようになった。

「続けるうちに、『人間は完全円満な神の子であり、病気は本来ない』という教えが心に染み、生きる意欲が湧いてきました」

 そんな春の日の夕方、病室の窓を開けると、満開の桜に包まれ、ライトアップされた熊本城の姿が目に飛び込んできた。

「ああ、この世界はなんて素晴らしいんだろうと、思わず携帯電話で写真を撮ったんです。これがきっかけで、夕焼けなどの空の風景を撮るようになりました」

 入院2カ月で無事退院し、美容室も再開。平成28年には、夫の恭隆(やすたか)さんからキヤノンの一眼レフカメラを譲り受け、本格的に写真を撮るようになった。

「写真は一瞬の出合い。その出合いを求めて、店の定休日には、いつも近所の山や海に行っています。これからは、全国のいろんな所に行って写真を撮ってみたいですね」 

 愛機を手に、坂崎さんの瞳がひときわ輝いた。

朝焼け、夕焼けの光景に強く惹かれるという 

明るい雰囲気の「ヘアサロンDeaR」。ここで、生長の家の母親教室も開いている

*1=iPhoneやAndroidなどのスマートフォンで、写真や動画を簡単にシェアすることが出来るアプリやサービスのこと
*2=生長の家のお経の一つ