「AOB慧央グループ」は、平成10年、清浄(せいじょう)な空気と水に恵まれた山梨県北杜市小淵沢町に、東京から本社を移した「(株)アルソア(*1)」の関連会社で、無農薬・無化学肥料の野菜と米作りを行っている。この農園で収穫された野菜や米は、自社の健康食品、2017年4月に開店した女神の森「奏樹(そうじゅ)」カフェ&ダイニングの食材として使われている。

(株) AOB慧央(けいおう)グループ│山梨県北杜市 レインボーファームでサニーレタスを収穫する。左が、管理責任者の山野洋輝さん 取材/原口真吾(本誌) 写真/堀 隆弘

(株) AOB慧央(けいおう)グループ│山梨県北杜市
レインボーファームでサニーレタスを収穫する。左が、管理責任者の山野洋輝さん
取材/原口真吾(本誌) 写真提供/(株)AOB慧央グループ

 平成21年、アルソアは小淵沢町の耕作放棄地約2ヘクタールを借り受け、「ARSOAレインボーファーム」を開いた。現在は、AOB慧央グループが管理し、約5ヘクタールまで農地を拡大。300品種以上の野菜、米を無農薬・無化学肥料で栽培している。

 この農園の特徴の一つに、1種類の野菜を1カ所に固めて栽培しないことがあり、畝(うね)ごとにキャベツ、赤カブ、ホウレンソウなどに分けている。キャベツは蝶の幼虫の餌として最適だが、餌として好まないホウレンソウなどを間に挟むと、蝶は防虫ネットで覆(おお)われたキャベツではなく、ホウレンソウの葉の上に止まる。すると、蝶はホウレンソウしかないと勘違(かんちが)いし、畑から離れていくため、初夏でも、この農園では十数匹の蝶しか見かけないという。

上:カレーのルーも植物性の素材のみで作られている/中:鮮やかな色合いが目を引く奏樹のメニュー「やさいKonomiぷれぃと」/下:ズッキーニの花とミツバチ。ファームにはさまざまな生き物が訪れる

上:カレーのルーも植物性の素材のみで作られている/中:鮮やかな色合いが目を引く奏樹のメニュー「やさいKonomiぷれぃと」/下:ズッキーニの花とミツバチ。ファームにはさまざまな生き物が訪れる

 また、畑での水やりは、苗床とキノコのビニールハウスでしか行っていない。畝と畝の間の通路にあえて雑草を残すことで土壌の水分を確保し、野菜が根を伸ばせば水を得られるようにしている。そのような土壌環境を整えた上で、野菜にコンブなどの海藻とホタテの貝殻を混合したミネラルを与えると、栄養を吸い上げる細かい根が発達し、ますます水分を保つ働きをしてくれる。通路に残したオオバコやナズナなどの雑草の根は、微生物の棲(す)み家でもあり、土壌の環境を豊かにしてくれる。

 農園で収穫した野菜と米は、自社の健康食品の原料となる他、「奏樹」カフェ&ダイニングでも提供されている。マクロビオティック(*2)を基本とし、肉類を使わない、野菜を主役としたメニューは、それぞれ素材本来の味を生かしたものになっていて、来店者に喜ばれている。

 レインボーファームの生産管理責任者、山野洋輝(ひろき)さんは、農園の見学に訪れる人たちに、自然と共生するとはどういうことか考えてもらえるような場にしたいと語る。

「この農園では、八ヶ岳南麓の環境と旬(しゅん)に合わせた品種を選んで栽培しています。失敗することもありますが、その経験を通して、自然と共生することの難しさを学んでもらえればと思っています。今年は落ち葉を利用して堆肥(たいひ)を作り、アスパラガスの栽培を計画しています」

*1=化粧品、健康食品などを販売する会社。きれいな水のある自然豊かな地で化粧品を作りたいと小淵沢に本社を移した
*2=桜沢如一が提唱した食事法

お問い合わせ先 (株)AOB慧央グループ
https://www.facebook.com/pg/yatugatakerainbowfarm/
TEL/0551-20-5000