長野県佐久市にある「藤井農園」では、1万5,000平方メートルの畑で、農薬と化学肥料を使わずに野菜を栽培し、希望者の家庭やレストランへの宅配を行っている。土を丁寧に落とした、見た目もきれいな旬の野菜は好評で、同農園では、年に一度、土壌の栄養状態を検査するなど、土壌の環境保全にも配慮した野菜作りに取り組んでいる。

「藤井農園」│長野県佐久市 藤井農園を営む藤井志郎さん、恵さん夫妻。この日は、ハクサイ苗の植え付けを行った。

「藤井農園」│長野県佐久市
藤井農園を営む藤井志郎さん、恵さん夫妻。この日は、ハクサイ苗の植え付けを行った。

「藤井農園」を営む藤井志郎さんは、以前、「自然の中で仕事をしたい」という思いを持ちながら、東京都内の会社で働いていた。そんな時、会社員から農業に転じた男性が長野県佐久市にいることを知り、妻の恵さんとともに会いに行った。

 その男性から、有機栽培で野菜作りをしている市内の農家を紹介され、「自分もやってみたい」と平成17年の秋、会社員を辞めて佐久市に移住。一年あまり、農業の研修を受けた後、平成19年春から藤井農園を営むようになった。

 農薬、化学肥料はもちろん、除草剤も使用しない有機栽培で、一年を通して約50種類の野菜を栽培している。畑は標高1,000メートルほどの所にあって寒暖差が大きいため、ゆっくりと、味と香りが凝縮したおいしい野菜が育つ。

野菜は朝早くに収穫し、旬(しゅん)の野菜9種類を詰め合わせ、希望者宅に配送している(Sサイズ、1〜2人用、2,700円、送料込み)。セットには野菜の美味しさを引き出すレシピも添えられている。

上:豊かな自然に囲まれた蓼科山の北麓にある藤井さん夫妻の自宅/下:自然のリズムの中で暮らす喜びについて語る藤井さん夫妻

上:豊かな自然に囲まれた蓼科山の北麓にある藤井さん夫妻の自宅/下:自然のリズムの中で暮らす喜びについて語る藤井さん夫妻

 家庭のキッチンを汚さないように丁寧(ていねい)に土を落として野菜を届けるその配慮の裏には、「無農薬野菜のイメージをよくしたい」という藤井さん夫妻の熱い思いがある。また、市場に卸(おろ)さず、希望者の家庭やレストランに直接届けるのは、必要な分だけの野菜を栽培し、売れ残って廃棄されてしまう野菜をなくしたいからだという。

 年に一度、4月頃に行う土壌検査では、16カ所ほどの土を採取し、栄養状態を分析。堆肥や有機肥料、天然のミネラルを必要なだけ施(ほどこ)して野菜ごとに適した環境を整えている。

 藤井さん夫妻は、これからも環境に配慮しながら、自然も人も健康になる野菜作りをしたいと語る。

「お客様の意見を大切にしながら、有機栽培による野菜の良さをもっと広め、ゆくゆくは、野菜から食の大切さを学べるよう、食育にも力を入れていきたいと思っています」

URL:http://fujiifarm.com/