三好雅則(みよし まさのり)  昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

三好雅則(みよし まさのり) 
昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

 もう半世紀以上も前、私は都心から都下に引っ越して目を輝かせた。そこは、図鑑でしか見たことのない生き物の宝庫だったからだ。

 夏には網戸にたくさんのガやカナブン、クワガタ、カブトムシ、たまにヤモリが張りつき、秋の夜には童謡の「虫のこえ」よろしく、クツワムシ、キリギリス、コオロギなどの声が引きも切らない。植え込みにはガマガエル、トカゲ、アオダイショウなどもいた。ところが、宅地化が進んで林や田畑が減ったことで、昆虫は姿を消していった。

 幸い日本には豊かな自然がまだ残っていて、今、私が住む山梨県北杜市には、鹿や猪、狐のほか多くの野鳥が生息し、多様な植物が季節毎に目を楽しませてくれる。しかし、都市化、温暖化が進む中で、絶滅する生物種が激増している。

イラストは筆者

イラストは筆者

 むろん、絶滅は自然にでも起こる。環境省によれば、約2億年前の恐竜時代は1000年で1種、2~300年前は4年で1種、100年前には1年で1種が絶滅した。が、その後の加速は著しく、1975年には年間、1000種、今では年間、4万種以上の生物種が絶滅している(*)。森林伐採、大量の農薬、化学肥料の使用等、ヒトの活動が拍車をかけたのである。

 一度、絶滅した種は戻ることはないし、生物は単独では生きられない。38億年の時をかけて形成された生物多様性、生態系が壊れつつある。それを顧みず、人類は自己満足を追い求める生き方をし続けてきた。そんな生き方を改める時は、もう何十年も前に到来していたはずなのにである。

参考文献
●生長の家総裁・谷口雅宣著『凡庸の唄』(日本教文社)●本川達雄著『生物多様性 「私」から考える進化・遺伝・生態系』(中公新書)●鷲谷いづみ著『自然再生持続可能な生態系のために』(中公新書)他

*=昨年(2018)11月時点の絶滅危惧種は26840種。そのうちほ乳類は1291種で、全ほ乳類(約5500種)の4分の1にあたる