CYさん│65歳│沖縄県  「絵を描いていると雑念が消え、時間も忘れてしまい、まるで天国にいるみたいに楽しくなります。心の荷をおろせる時間ですね」 取材/磯部和寛(本誌) 写真/近藤陽介

CYさん│65歳│沖縄県 

「絵を描いていると雑念が消え、時間も忘れてしまい、まるで天国にいるみたいに楽しくなります。心の荷をおろせる時間ですね」

取材/磯部和寛(本誌) 写真/近藤陽介

 沖縄県に住むCYさんは、植物や人物などのパステル画を描き、毎年、生光展(*1)に出品している。パステル独特の優しい色合いを活かしたその作品は、温かい人柄が滲み出ているようで、観る者の心をほっと和ませてくれる。

今、制作中の作品では、新しい試みとして、絵の中に押し花のように貼り付けた草花も用いて絵を描いている

今、制作中の作品では、新しい試みとして、絵の中に押し花のように貼り付けた草花も用いて絵を描いている

「絵を習ったことはなく、まったくの自己流ですが、パステルのふんわりとした感じが好きなんです。10年前から生け花を習っていて、花がとても好きなので、草花をモチーフに描くことが多いですね」

 趣味で絵を描くようになったのは、平成16年、50歳の時。義母と実母が体調を崩し、二人の世話に明け暮れていた頃のことだった。

「間もなく義母の面倒は、夫の兄弟が見てくれることになって安心しましたが、嫁としての務めが充分果たせたのだろうかという葛藤が残りました。そんな時、現実から逃れたいという思いと、美しいものに触れたいという思いが募り、もともと好きだった絵を描くようになったんです」

 疲れた心の癒やしを求めて、絵とともに始めたのが、31歳の時に職場の同僚から勧められて触れた生長の家の教えを学び直すことだった。『生命の實相』(生長の家創始者・谷口雅春著、全40巻。日本教文社刊)などの書籍を改めて読んで、「親への感謝の大切さ」を実感するようになり、二人の母親に、真心をもって接するよう心がけた。

上:成人を迎えた長女を描いた『いぶき』/下:ほのぼのとした作品『すこやかに』

上:成人を迎えた長女を描いた『いぶき』/下:ほのぼのとした作品『すこやかに』

「そうすることで、徐々に心のバランスがとれるようになっていき、絵も大好きになりました。その後、二人の母は亡くなりましたが、今思うと、二人の母が私を絵の世界に導いてくれたという気がします」

 以来、趣味で絵を描き続け、平成20年、「もう一つ上を目指したい」と生光展に初めて出品した。長男の名前からとった『久遠』と題する作品は、長男が赤ん坊だった頃の写真を見ながら描いたものだった。

「長男が生まれてきてくれた時の喜びと感動を、思い返しながら描きました。絵を描く時はいつも、心を捉えた美しいものの奧にある実相(*2)を表現したいという思いでスケッチし、パステルで色をつけています」

 生光展に出品するようになって、本格的に絵を学びたいという思いが強くなったというYさんは、自分に合った絵の教師を探しつつ、さらなるスキルアップを目指している。

「生光展に出品されている作品を見て、もっと上手になりたいという意欲が出てきたんです。きちんと技術を学んで表現の幅を広げ、さらにいい絵が描けるように頑張ります」

 前を見据えるその瞳は、パステル画のように明るく輝いていた。

*1=生長の家芸術家連盟美術展
*2=神が創られたままの本当のすがた