三好雅則(みよし まさのり)  生長の家本部講師。昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

三好雅則(みよし まさのり) 
生長の家本部講師。昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

 近年増えている花粉症や食物アレルギーの予防・治療に、腸内細菌が重要な役割を担っていることが最近の研究によって分かってきた。

イラストは筆者

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 前回、病原菌など異物(抗原)が人体に侵入するのを防ぐ免疫機能の6割を腸が担い、その活性化に腸内細菌が貢献していることを紹介した。その免疫の仕組みは─人体に異物が侵入すると、免疫細胞(樹状細胞、マクロファージや好中球、NK細胞、B細胞、T細胞等)のうち、肺、胃、腸管にいる樹状細胞やマクロファージが侵入者を取り込んで好中球やNK細胞、B細胞、T細胞に伝え、好中球やNK細胞が抗原を撃退する(自然免疫)。これをくぐり抜けた抗原に対しては、B細胞が抗体を作って撃退するほか、T細胞が自ら増殖して撃退し、攻撃命令を伝えるサイトカイン(*1)を放出して免疫細胞を集め、集中して撃退する(獲得免疫)というもの。

 が、免疫細胞は、花粉や食物成分も誤って攻撃するため、これを制御する仕組みが備わっている。その担い手が免疫細胞の制御性T細胞(Tレグ)だ。Tレグは、未熟なT細胞が成熟する過程で酪酸に接触すると増える。また腸内で酪酸を産生しているのが、クロストリジウム菌といった腸内細菌であることが判明し、その腸内細菌を増やせばTレグが増え、アレルギーの予防・治療に効果があるとみて、腸内細菌が好む食物繊維(*2)が多い餌をマウスに与える実験を行った。その結果、アレルギー反応が軽減することが分かった。

 アレルギーが気になる人は、食物繊維の摂取を心がけてはどうだろう。

参考文献
・N‌H‌Kスペシャル取材班『アレルギー医療革命』(文藝春秋)
・ジャスティン・ソネンバーグ&エリカ・ソネンバーグ『腸科学』(早川書房)他

*1=細胞同士が情報を伝えるために分泌する物質の総称
*2=ヒトの消化酵素で分解されない食物中の総称