「ぴたらファーム」│山梨県北杜市 「自然の中の暮らしには、ストレスがないんですよ」と、スタッフの宮下まほさん

「ぴたらファーム」│山梨県北杜市
「自然の中の暮らしには、ストレスがないんですよ」と、スタッフの宮下まほさん

北杜市白州町(はくしゅうまち)の里山で、パーマカルチャー(*)を基礎にした循環型の生活を実践している「ぴたらファーム」は、無農薬、無化学肥料の農業体験を通し、自然のリズムに寄り添って暮らすことの心地よさを参加者に伝えている。築100年の古民家での滞在体験も行い、循環型の生活を余すところなく体験できる。

「ぴたらファーム」は、平成23年から活動を始め、地域の住民から借りた約2ヘクタールの農園で、無農薬、無化学肥料の米と野菜作りを行っている。栽培には、稲わら、水などを混ぜて踏み込んで発酵熱を利用する温床に、稲わらや刈り取った雑草の草マルチなど、自然に還(かえ)るものを中心に使用。作物は小松菜、トマト、オクラ、カボチャなど在来種や固定種を中心に、100品種以上に上る。

 農園では、種まき、野菜の収穫体験、稲刈り、干し柿作りなど、循環型の農業が体験できるさまざまなイベントが企画されている。

上:今まで知らなかった大豆の品種とその個性を知り、興味津々の参加者たち/中:試食会で提供された色も味わいも違う蒸し大豆/下:自然の恵みがいっぱいの野菜料理をいただく

上:今まで知らなかった大豆の品種とその個性を知り、興味津々の参加者たち/中:試食会で提供された色も味わいも違う蒸し大豆/下:自然の恵みがいっぱいの野菜料理をいただく

 取材の日は、大豆の種まきから収穫、豆腐作りまでを体験できる「大豆プロジェクト」の第1回目。集まった12人の参加者は、大豆の試食会と種まきを行った。東京など県外の参加者が約半数を占め、「都会での毎日の通勤が嫌になり、もっと違う暮らしがあるのでは、と思って参加しました」という人もいた。

 大豆の「オオツル」や「小糸在来」「玉大黒」などは、「ぴたらファーム」が大切に種をつないで来た在来種。午前に行われた試食会では、蒸(む)した大豆に舌鼓(したつづみ)を打ち、素朴な味わいを楽しんだ。

「小糸在来は甘みを強く感じる」「玉大黒はしっとりしてるね」と、参加者たちは今まで知らなかった大豆の品種の多さ、味の違いに新鮮な驚きを感じていた。

 午後は、午前の試食でそれぞれが愛着を持った大豆の種を畑にまく作業が行われた。小学生の子供たちも「自分でもできる!」と、手を土だらけにしながら作業に熱中。参加者の顔からは、自然に笑みがこぼれていた。

 スタッフの一人、宮下まほさんは、自然からの恩恵に感謝しながら生活をしていると、生かされている実感と喜びが湧いてくるという。

「滞在体験も随時受け付けていますから、体験を通して自然のリズムに添った循環型の暮らしが、どんなに気持ちいいかを感じてほしいです。今後は、外国人のゲストも積極的に受け入れていきたいと思います」

*=オーストラリアのビル・モリソンとデビット・ホルムグレンが構築した、人間にとっての恒久的持続可能な環境を作り出すためのデザイン体系のこと

お問い合わせ先
http://pitarafarm.com/
TEL:0551-35-2793