N.S.さん│名古屋市 取材/久門遥香(本誌) 写真/永谷正樹 「今は、一年中さまざまな花がお店に並びますが、なるべくその時の旬の素材を使い、季節感を味わうように心掛けています」という

NSさん│名古屋市 取材/久門遥香(本誌) 写真/永谷正樹
「今は、一年中さまざまな花がお店に並びますが、なるべくその時の旬の素材を使い、季節感を味わうように心掛けています」という

「お花にはそれぞれ“向き”があります。その“向き”に気を付けて生けた時、お花の持つ美しさが表現されます」

 そう言って、NSさんは白梅を手に取り、余分な枝葉を切り落として七宝(しっぽう)(*1)に留めていく。そこにピンクのカンパニュラをバランス良く挿し、仕上げに南天の葉をさりげなく配置すると、楚々とした雰囲気の生け花が出来上がった。

白梅とカンパニュラ、南天の葉が見事に調和した作品

白梅とカンパニュラ、南天の葉が見事に調和した作品

「お花の持つ個性を大切にしつつ、それぞれの魅力を最大限に引き出し、調和した姿に生けることが理想です。生け花にはその人の心がそのまま現れるので、落ち着いてゆったりと、無我の心で生けることが大事ですね」

 Sさんは、華道・嵯峨御流(さがごりゅう)の生け花を教えていた母親の手ほどきを受け、3歳から生け花に親しんできた。34歳で華範(正教授)の資格を取得し、平成9年から名古屋市の自宅で、生け花教室を主宰するようになり、現在は、毎月60名ほどの生徒に生け花の他、フラワーアレンジメント、リース、ウェディングブーケ作りなどの指導をしている。その他、幼稚園や小・中学校、老人ホームなどでも講師を務め、幅広い年代の人にお花を教えている。

「初心者の方でも心を込めて生けられると、素晴らしい作品が生まれます。その意味でも生徒さんから教わることはたくさんあります。特に、子どもの豊かな感性には、いつも驚かされます」

 生長の家の信仰を伝えてくれたのも母親で、幼い頃から「人間は神の子で、無限の力がある」と教えられて育った。

上:プリザーブドフラワーのアレンジメントも手がけている/下:正月のしめ縄飾りはその年のラッキーカラーをメインに仕上げる

上:プリザーブドフラワーのアレンジメントも手がけている/下:正月のしめ縄飾りはその年のラッキーカラーをメインに仕上げる

「母は、いつも真理の言葉を聞かせてくれました。そのおかげで、『どんな問題が起こっても大丈夫。必ずよくなる』と信じきることができます。教えがあるので、大安心の中で日々生活できることに、本当に感謝しています」

 現在は、白鳩会(*2)の一員として、また地方講師(*3)として活動に励んでいる。

「人との調和、自然との調和を大切にする生長の家の教えは生け花に通じる部分が多々あり、教えを学ぶことが、生け花の作品作りにも良い影響を与えてくれています。母のように、華道と信仰をともに深める生き方をしていきたいですね」

 生け花教室と生長の家の活動、さらに夫の営む不動産会社の手伝いなどで多忙な毎日を送る中、花と触れ合っている時が、一番心が落ち着くという。

「花に触れていると癒やされ、その色や香りからいつも元気とパワーをいただいています。小さな器に一輪のお花を挿すだけでも、部屋がぱあっと明るく心が豊かになり、会話も弾みます。ぜひ、お花のある暮らしを楽しんでみてください」

 Sさんの笑顔は、室内に飾られた色とりどりの花にも負けない輝きを放っていた。

*1=嵯峨御流で基本的に使う花留のこと
*2=生長の家の女性の組織
*3=生長の家の教えを居住地で伝えるボランティアの講師