木村美紀さん 35歳・大阪市 取材/南野ゆうり 撮影/中橋博文 無農薬・有機栽培の野菜や果物の皮で取った出汁で作る味噌汁の味は格別

木村美紀さん 35歳・大阪市
取材/南野ゆうり 撮影/中橋博文
無農薬・有機栽培の野菜や果物の皮で取った出汁で作る味噌汁の味は格別

上:野菜や果物の皮はプラスチック容器に入れ、冷凍保存し、適量になったところで、味噌汁の出汁に使う/下:屋上のベランダに設けた家庭菜園。土作りのプランターには、生ゴミを入れる

上:野菜や果物の皮はプラスチック容器に入れ、冷凍保存し、適量になったところで、味噌汁の出汁に使う/下:屋上のベランダに設けた家庭菜園。土作りのプランターには、生ゴミを入れる

 木村美紀さんの生活のモットーは、「生かし合う」「伝える」。つまり、他の生き物の命を奪わず、生かし合うことと、環境問題の重要性を周囲に伝えることだ。

 木村さんはむやみな殺生(せっしょう)をせず、自然の営みを生かした無農薬栽培は、「天地一切のものとの調和」を説く生長の家の教えに適(かな)っていると考えた。そういった野菜や果物を、化学肥料を使わない有機栽培による農産物を扱う宅配と、安全な物だけを置いている近所の八百屋で調達する。これらの無農薬・有機栽培の野菜や果物の皮は、容器に入れて冷凍保存し、適量になったところで味噌汁の出汁(だし)にするのだ。

「電動アシスト自転車に乗って、安全で安心な国産の野菜を探すのは、家族の健康のためであり、外国産のものより、輸送の過程で排出されるCO2が少ないからです。食品の輸送距離を数値化したフードマイレージを意識して、食材を選んでいます」

 家庭菜園にも関心があり、3階の屋上にあるベランダで、本格的に無農薬で野菜を育てはじめたのは昨年(2016)のこと。「まだ試行錯誤で」と謙遜(けんそん)するが、プランターでは無農薬のブロッコリーやネギなどが青々と葉を茂らせている。

 土作りは“休眠中”のプランターで行う。

「作物を収穫後、土をふるいにかけて古い根をとりはらい、そこに生ゴミなどを入れて培養土を作るんです」

 夫・隆克(たかよし)さん(36歳、自営業)と小学1年生の長女、幼稚園に通う次女、1歳の三女との5人家族だが、生ゴミの量は毎日、直径30センチのボウル4分の1ほど。分解が遅い魚の骨やタマネギの皮以外は、毎日、土に戻し、腐葉土の材料とするのが日課となっている。

 そして、伝えること。まずは子どもたちが「お手伝いする〜」と言う時がチャンスだと、木村さんは考える。上の二人には子ども用の包丁を持たせ、食材を切る手伝いをさせながら、安全で体にいい食材の匂いや手触りを知ってもらうそうだ。

 1カ月に1回、自宅で開くヤングミセスの集い(*)にママ友を誘い、お肉を使わないノーミート料理をふるまうのも、「エコ生活は命の尊さを知ることでもあると、多くの人に知ってもらえたら」との願いのため。ノーミート料理の輪が広がっている。

* 生長の家青年会が主催する既婚女性の集い