OKさん(35歳)大阪府 取材/原口真吾(本誌)

OKさん(35歳)大阪府
取材/原口真吾(本誌)

 大阪府内の図書館で司書をするOKさんが、ヘルニアを発症したのは、平成29年7月のこと。その夏、勤務先の図書館で小学生を対象とした夏休みの工作教室が、3日間にわたって行われた。

 紙皿を顔に見立てて、紙コップを取り付けて口にし、たこ糸で口が動く「おしゃべり星人」を作ろうという企画で、職場では5月の中頃から工作に使う紙皿や紙コップを切ったりして準備を始めた。Oさんは、普段とは違う慣れない作業に手間取ったという。

 工作教室の当日は、上司のサポートに入り、子どもたちに作り方を教え、終始動きっぱなしだった。最終日が終わる頃には、首や肩に疲労が溜まっているのを感じた。

siro107_rupo_6 その翌日、Oさんがいつものように目を覚ますと、体を起こすことができないほど首が痛んだ。単に寝違えただけだと思って出勤したが、痛みは消えず、病院で受診したところ、首(頸椎)の椎間板ヘルニアと診断された。対症療法として、しばらく痛み止めの薬で様子を見ることになった。

 しかし、薬を飲んでも痛みから解放されず、起きている間はもちろん、横になっても痛みを感じた。眠ることもままならず、困り果てたOさんは、「薬が効かないなら、後はもう祈るしかない」と思い、早朝の神想観(*1)を日課にすることにした。

 Oさんは小学校4年生の時、その頃に生長の家の教えに触れた両親に連れられて生命学園(*2)に通いはじめた。その後、青少年練成会(*3)にも参加し、「人間は神の子」で、現象の奥にある「神の創造した実相(*4)世界は完全円満」であることや、現象に現れた病は実在ではなく、「迷いの心が映し出した影」にすぎないということを学んでいた。ヘルニアという現象に心がとらわれるのではなく、完全円満な実相に心を振り向けようと思い、神想観を真剣に行じ始めたのだ。

 最初は痛みのために、正座して背筋を伸ばし、顔の前で合掌する姿勢を取ることもできなかったが、続けるうちに、次第にできるようになっていった。

「普段の生活では首の痛みに心が振り回されてしまうので、痛みを忘れるくらい集中しようと、神想観の中で神様が創造した善一元の世界を一心に思い描きました。すると、不思議なことに神想観の間は痛みを忘れられたんです」

 しかし、普段の生活の中での首の状態は変わらず、痛みをこらえたまま仕事を続けていた。

心で掴んでいた症状を手放す

 1カ月後の8月には生長の家宇治別格本山(*5)で盂蘭盆供養大祭が行われ、Oさんは奉仕員として、運営に携わることになっていた。Oさんは以前、宇治別格本山で半年間研修生をしていたことがあり、お世話になった生長の家のために、ヘルニアの症状は続いていたが、参加しようと決心していた。

 大祭の期間中は歓待係に配属され、会場の入口で館内の案内をしたり、参拝者に靴を入れる袋を手渡したりしていた。厳しい夏の暑さもあり、薬を飲んでも絶えず痛みが続き、夜もなかなか眠れず、心身共に疲れ果てた。

「でも、訪れた方に最初に挨拶をする歓待係は、言わば生長の家の顔です。だから、『ありがとうございます』と精一杯明るい声を出して歓迎しました」

siro107_rupo_7 明るく挨拶をし、相手も笑顔を見せて応えてくれると、少し気が紛れ、その瞬間は痛みを忘れることができた。何より人の役に立っていると実感できたことが嬉しかった。

 Oさんの首の痛みを知っていた同じ係の仲間は、Oさんを気遣い、無理せず、できる範囲でやればいいと言ってくれた。また、参列に来た教区の友人は、Oさんのために神癒祈願(*6)を出してくれて、周りの人の優しさに改めて触れた。その時は知らなかったが、両親も娘の回復を願って、毎日聖経(*7)を誦げてくれていた。

 大祭が終わった夜に行われた奉仕員全体の夕食会では、研修生時代の友人との話に花が咲き、毎食後に飲んでいた痛み止めの薬を飲み忘れていた。その事に気づいたのは夕食会の後、帰りの駅に着いた時で、首の痛みがなくなっていることに驚いた。その後も痛みはなく、翌月に病院でMRI検査をしたところ、完治していることが分かり、医師も不思議がるほどだった。

「奉仕員として、訪れる人のために無我になって働いた時、心で掴んでいた症状を手放すことができて、本来の健康な姿が現れたんだと思います。それに大祭で心を込めて供養したご先祖様を始め、両親や友人たちの愛念も、私を助けてくれたんです」

 頚椎のヘルニアから解放されたOさんは、これからも感謝の心で仕事に励み、人の役に立っていきたいと情熱を込めて語った。

*1 生長の家独得の座禅的瞑想法
*2 幼児や小学児童を対象にした生長の家の学びの場
*3 合宿形式で教えを学び、実践するつどい
*4 神によって創られたままの完全円満なすがた
*5 京都府宇治市にある生長の家の施設。宝蔵神社や練成道場などがある
*6 神の癒しによって、問題が解決するように祈ってもらうこと
*7 生長の家のお経の総称