安田富美子さん 64歳・宮崎県門川町 緑あふれる自宅の庭で。手前の鉢ではマザーリーフが元気に葉や茎を伸ばしている 取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣

安田富美子さん
64歳・宮崎県門川町
緑あふれる自宅の庭で。手前の鉢ではマザーリーフが元気に葉や茎を伸ばしている
取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣

 日向灘にほど近い安田富美子さんの自宅を訪ねると、水を張ったガラスの器に浮かべられたマザーリーフの葉が、玄関先で日の光を浴びていた。

「こうやって水に浮かべておくと、葉っぱの脇から新しい芽が出てくるんですよ」

 花が好きで、庭には挿し木で増やしたシャコバサボテンやポインセチアが茂り、豊かな彩りを見せている。

台所から出る生ゴミをポリバケツに入れて、ボカシを振りかけ、ビニール袋をかけて約2カ月間保管すると、表面にびっしりと白カビが生える

台所から出る生ゴミをポリバケツに入れて、ボカシを振りかけ、ビニール袋をかけて約2カ月間保管すると、表面にびっしりと白カビが生える

「ポインセチアは10年前に友人からいただいたものです。ある年、新芽を全部挿し木にしたら200鉢以上にもなり、生長の家の皆さんにもらっていただきました。毎年5月に剪定して新芽を植え、11月頃になると霜を避けるために家の中に入れます。やがて葉っぱの先から色づいて、おなじみの紅い葉に変わっていくんです」

 ガーデニングに加え、トマトやダイコンなど旬の野菜を、家庭菜園で栽培し続けて20年。

「良い菜園は良い土作りから」と、台所から出る生ゴミにボカシを混ぜ込んで肥料を作ったり、収穫後の土はしばらくの間休ませたりして、土の健康維持には労力を惜しまない。生長の家のSNIオーガニック菜園部に所属し、野菜作りの腕を上げている。

 生長の家へと導いてくれたのは亡き母だった。

「父は私が5歳の時に亡くなり、母は人生の岐路に立った時、善一元の世界を説く生長の家の教えに救いを求めたそうです。私も若い頃から母のように不安や友人関係などの悩みの解決を教えに求め、心の落ち着きを取り戻すようになりました」

 ところが結婚後も消えない悩みがあった。他人と比較したり、時には逆に人から的外れの羨望を集めたりと、人づきあいの難かしさに直面したのだ。

上:マザーリーフの葉っぱは、水に浮かべておくと葉の脇から新しい芽が出てくる/下:庭のあちこちに挿し木で増やした植物の鉢が所狭しと並んでいる。「ポインセチアは11月になると家の中に入れ、葉が紅くなるのを楽しんでいます」

上:マザーリーフの葉っぱは、水に浮かべておくと葉の脇から新しい芽が出てくる/下:庭のあちこちに挿し木で増やした植物の鉢が所狭しと並んでいる。「ポインセチアは11月になると家の中に入れ、葉が紅くなるのを楽しんでいます」

「朝、いつものようにお仏壇の前でお聖経()を誦げようとしていたら、突然『善し悪しを決めすぎる!』とお腹の底から聞こえてきて、人生に善い悪いの基準を決めていたのは自分自身だったと気づき、以来、人と比較することをやめると、落ち込むことがなくなって、自由な気持ちになりました」

 安田さんの育てる野菜や花は、葉や幹にさえ張りがあり、生き生きとしている。穏やかな心を映しているのだろう。

 生長の家のお経の総称