佐藤麻由美さん 52歳・札幌市南区 取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣 冬はリビングに置かれた、デンマーク製の薪ストーブが部屋を温めてくれる

佐藤麻由美さん 52歳・札幌市南区
取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣
冬はリビングに置かれた、デンマーク製の薪ストーブが部屋を温めてくれる

 大学2年生だった20歳の時、くも膜下出血で倒れ、入院した。一命を取りとめた佐藤麻由美さんは病床で考えた。「与えられたいのちを大切に生きよう」と。以来、人に良いところを見せようとするのではなく、素直になって生きるようになった。食についても、自然素材や自然農法で作られたものを意識するようになっていった。

 退院後間もなく、教育実習で同じ実習生だった夫の敦司(あつし)さん(53歳、建築関係自営業)と知り合った。手術のため坊主頭だった麻由美さんを丸ごと受け入れてくれた敦司さんは、根っからの自然派人間だった。釣りやキャンプ、カヌーなどのアウトドアを愛し、海や川、山などの自然を広く知り尽くした人だったのだ。麻由美さんが30歳の時、二人は結婚し、新居に選んだのが、札幌市南部の砥石(といし)山の麓に建つ今の家だ。家のすぐ近くには森が広がっている。

 麻由美さんは大学生の時、ラジオ局でアルバイトをしていた。その放送局に勤める人から生長の家の教えを伝えられた。

左:中古で購入した太陽電池パネルを窓辺に置き、ランプなどキッチン周辺の電気の一部をまかなっている/右:炊飯器で作る黒にんにくは、甘くてフルーティな味が絶品。手前は敦司さん手製の鮭とば

左:中古で購入した太陽電池パネルを窓辺に置き、ランプなどキッチン周辺の電気の一部をまかなっている/右:炊飯器で作る黒にんにくは、甘くてフルーティな味が絶品。手前は敦司さん手製の鮭とば

「『人間・神の子』の教えを学ぶようになって、いのちの尊さ、それを育む自然の懐(ふところ)の深さ、そして自分もその一員であることを知りました。子どもを授かるという願いは叶いませんでしたが、その辛さを軽くしてくれたのも生長の家であり、親身になって相談に乗って下さる生長の家の先輩方でした」

 麻由美さんは谷口純子・白鳩会(*)総裁のブログ「恵味(めぐみ)な日々」や、著書『四季の恵み弁当』(生長の家刊)を読み、そこに説かれている健全な食や自然保護に大きな関心を寄せていく。そして、自分にできることを考えた時、教育を通して自然の大事さや尊さを伝えることができるかもしれないと思い至った。

 麻由美さんは20年前から数学と国語、英語を教える学習塾を開講している。子どもから社会人までの塾生を抱えているが、折に触れ、自然に目を向けることの大切さも伝え続けている。また前後して、敦司さんと共に一般社団法人「北海道山女魚(やまめ)を守る会」に入会。人工池でふ化させた稚魚を毎年春先に河川に放流する活動を続けている。

「成魚となるのはたった5%。この数値を高めるためにも、環境保全の大切さを感じています」

 生長の家の女性の組織