H・Iさん 埼玉県・32歳・中学校教諭 取材●長谷部匡彦(本誌)

H・Iさん
埼玉県・32歳・中学校教諭
取材●長谷部匡彦(本誌)

 美術教諭になる夢に向かって勉強に励んでいた20代の頃、生長の家の講師の言葉がきっかけで先祖供養をするようになった。すると将来への不安が次第に消えていき、物事が順調に運ぶようになった

 埼玉県にある自宅に、H・Iさんを訪ねると、ショートカットがよく似合うIさんが、生き生きとした明るい笑顔で出迎えてくれた。

 Iさんは、平成26年4月から千葉県の中学校の美術教諭として採用され、1年生のクラスを受け持つようになった。

「その後、その学年の子どもたちの進級に合わせ、卒業するまでの3年間、クラス担任をしました。クラスメートのよいところに気づいたと、日直の付ける学級日誌に書かれていたり、行事の中で困っている友だちを助けようとする素直な感性に驚かされたり、といったことがたくさんありましたね」

 今年(2017)3月の卒業式では、生徒たちの成長した姿を見て、幸せな思いで胸がいっぱいになったという。昨年8月に、特別支援学級教諭二種免許を取得したIさんは、今年4月からは特別支援学級の担任となり、美術を教えている。

「子どもたちの内から沸(わ)き起こる衝動で描かれる絵は、本当に素晴らしいんです。障がいを持っている子どもの感性を表現する手助けが出来るので、わくわくしています」

お盆の楽しみ

 Iさんは幼い頃より、生長の家の教えを信仰していた母親に連れられて、生命学園(*1)に参加していた。そして、小学生の頃に毎年欠かさず参加していたのが、生長の家宇治別格本山(*2)で行われている宝蔵神社盂蘭盆供養大祭(ほうぞうじんじゃ うらぼんくようたいさい)だった。

 母親とともに、大阪にある母方の先祖の墓参りに行き、その時に先祖供養をする盂蘭盆供養大祭の奉仕員として、母親と一緒に行事の手伝いをした。

「他の奉仕員の人たちと、食堂で食器を洗ったり、参加者のために何百枚も布団を敷(し)いたりして、みんなで協力し合うのがとても楽しかったのを覚えています。でも、中学校ではソフトボール部、高校では空手部に入って部活動が忙しくなったので、盂蘭盆供養大祭の奉仕員はできなくなったんです」

両親に心から感謝したとき

 高校を卒業後、当時好きだった映画『魔女の宅急便』に登場したパン職人に憧(あこが)れ、地元の埼玉県でパン屋に就職した。

 その2年後、20歳のときに、以前から好きだった美術の教諭資格が通信制大学で取得できることを知り、通信制の美術系大学に入学。しかし、朝早くから仕事を始めるパン職人と学業の両立は厳しく、パン職人を辞めて大学のある京都へ移り、旅行添乗員の仕事をしながら3年間勉強を続けた。

 京都にいる間、Iさんは以前よく訪れていた宇治別格本山の練成会(*3)に参加した。その中の行事の一つである感謝行のとき、こんな体験をした。

「感謝行のなかで、畳を両親の背中に見立てて、背中を洗うように雑巾(ぞうきん)掛けをしながら『お父さん、ありがとうございまーす。お母さん、ありがとうございまーす』と、他の参加者と共に唱えていると、不意に両親への感謝の想いが湧き上がってきたんです。生長の家では両親に感謝することの大切さを学びますが、感謝をしているつもりで、心から感謝していなかったんですね。感謝の言葉を唱え続けていると、心が晴れわたってきました」

 宇治別格本山の宝蔵神社には、先祖を供養する霊牌(*4)が納められており、先祖から両親、さらに自分へと続く「いのちのつながり」を感じたという。

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 その後、埼玉県に戻り、2年ほどアパレル店でアルバイトをしながら勉強を続けていたとき、生長の家の友達に誘われて参加した埼玉県教化部(*5)での「女性のための一日見真会(*6)」で、講師のこんな言葉が心に強く残った。

「問題を抱えて、うじうじ悩んでいる暇(ひま)があったら、先祖供養をしなさい。人の運命は過去の業(ごう)、先祖など霊界からの導き、そして本人の行動で決まるんです。日々先祖供養をして、祈りながら行動に移せば、願いは必ず叶(かな)います」

 それからIさんは、ことある毎(ごと)に先祖供養をするようになり、自身の手帳には「大学卒業しました。ありがとうございます」「美術教諭・特別支援教諭合格しました。ありがとうございます」と、すでに希望が実現したことを感謝する祈りの言葉を書き込んだ。

ご先祖の導きを感じるとき

 そして、平成26年に通信大学を卒業したIさんは、千葉県の教員試験も一発で合格した。先祖供養を意識して行うようになってから、気持ちが落ち着き、物事が順調に運ぶようになったという。

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「試験前の先祖供養でも、感謝の気持ちを込めて聖経(*7)をあげていると、教員になれるかどうかの不安が無くなり、なんとかなるから大丈夫と思えるようになりました」

 中学校の教員になってからは、ときには人間関係でつまずくこともあったが、大きなトラブルには発展せず、自然に問題が収束していった。

「高校を卒業後、いろんな経験をしてきましたが、振り返ると、無駄なことは一つもなかったんですね。先祖供養を始めてからは、ご先祖様のお導きなのか、ただレールに乗って進んでいるみたいに順調に歩んでこられました」

*1 幼児や小学児童を対象にした、生長の家の学びの場
*2 京都府宇治市にある生長の家の施設。宝蔵神社や練成道場などがある
*3 合宿して生長の家の教えを学ぶ実践する集い
*︎4 死者の戒名などを書いて霊代としてまつる位牌
*︎5 生長の家の布教・伝道の拠点
*6 生長の家の教えを学ぶ集い
*7 生長の家のお経『甘露の法雨』『天使の言葉』︎などの総称