取材●長谷部匡彦(本誌)撮影●中橋博文

取材●長谷部匡彦(本誌)撮影●中橋博文

 広島・尾道(おのみち)から、瀬戸内海に浮かぶ向島(むかいしま)、因島(いんのしま)、生口島(いくちじま)、大三島(おおみしま)、伯方島(はかたじま)、大島(おおしま)を経て海峡を縦断し、愛媛・今治(いまばり)に至る約70キロの「しまなみ海道」。自然の美しさを満喫(まんきつ)しながら走れる人気のサイクリングロードだ。6月初旬のこの日、生長の家広島教区の有志37人と、SNI(生長の家)自転車部事務局から派遣された2人が参加して、「しまなみ海道」のサイクリングイベントが開催された。

 参加した12歳から81歳までの老若男女(ろうにゃくなんにょ)の年齢層に合わせて設定された、向島から因島のしまなみビーチまでの往復約23キロのコースは、風景を楽しみながらゆっくり走るにはちょうどよい距離。朝から快晴に恵まれ、カラッとした爽(さわ)やかな天候に心が踊る。

サイクリングの良いところ

hidokei91_rupo_2 今回のサイクリングイベントは、できるだけ自然環境を壊さないための「省資源・低炭素のライフスタイル」を実践する機会として開かれた。

 広島教区の池田祝子(いけだのりこ)さんは、自転車に乗ることの素晴らしさについて、参加者を前にこう説明する。

「自転車は、二酸化炭素を新たに排出しない地球環境に配慮した乗り物で、歩くよりは関節の負担が少なく、わりと運動量も多く、脚(あし)を使うので健康に良いんです。それに、普段見過ごしている自然の素晴らしさを、五感で感じられるのも良いんですよ」

 SNI自転車部事務局の山田真史(やまだまさし)さんは、自転車が健康に良いことを体験をもとに話した。

「明日、35歳の誕生日を迎えるんですが、自転車で走っていたら、体内年齢が18歳に若返っちゃいました。それに、ワクワクするので毎日が明るく楽しく過ごせるようになります。体験してみると良くわかりますよ」

因島大橋をバックに

因島大橋をバックに

 説明が終わると、参加者は順次走り出していく。スタート地点の「尾道市民センターむかいしま」にあるレンタサイクルターミナルでは、軽快車とクロスバイクを1,000円、電動アシスト自転車を1,500円で貸し出しており、自前の自転車がなくても気軽に参加できる。

自然の中で自転車に乗って

 尾道市民センターむかいしまを出発し、街中の道を約2.5キロ走ると、遠くに緑豊かな木立(こだち)が見える。そこを抜けて少し進むと視界が開け、紺碧(こんぺき)に輝く穏やかな瀬戸内海が広がった。

「普段は自転車に乗っていないので、風を切って走るのが、こんなに気持ちいいなんて初めて知りました。ペダルを漕(こ)ぐ力をあまり入れなくても、前に進んでくれるのが楽しいです!」

今回初参加の知野瑛流(ちのひかる)君(13歳)は、笑顔で話す。

 海面に太陽の光が反射して、キラキラと輝く景色を右手に眺(なが)めながら、約2キロ進み、最初の休憩場所の向島(むかいしま)休憩所に到着。海の上には、因島に渡るための全長1,270メートルの因島大橋が一望できる。

「参加者同士で色んな年代の人と、すぐに話せるようになるのがいいですね。みんなと仲良くなるのが早いと感じました」

 近藤裕太(こんどうゆうた)さん(19歳)は、にっこりと話してくれた。

 因島大橋に向かう歩行者・自転車専用道路は、両脇を緑に囲まれ、木々が作りだす木陰(こかげ)が続く緩(ゆる)やかなスロープになっている。

「街で見る景色と違って、空も青いし、緑の葉はプリプリして太陽の光をキラキラ反射して、とても綺麗(きれい)です。じつは因島で生まれ育ったんですけど、子どもの頃は当たり前すぎて自然の素晴らしさに気づきませんでした。街に憧(あこが)れて広島市内に出ましたが、こうして因島に戻ってきて、自転車で走りながら自然を身近に感じていると、いい環境で育ったんだと分かります」

 社会人の岡本圭未(たまみ)さんは、満面の笑顔で話してくれた。

自転車なら軽い登り坂でも楽に進める

自転車なら軽い登り坂でも楽に進める

 因島大橋は、しまなみ海道に掛かる橋の中で唯一、自動車道の下に自転車や徒歩専用レーンが設けられている。橋を渡り、緩やかな坂道を降っていくと、折り返し地点の「因島アメニティ公園しまなみビーチ」に出た。

 正午も過ぎ、日差しが強く照りつけ始める中、帰路に着く。止まっていると暑いと感じるが、ペダルを漕いでいれば、風を感じて暑さが気にならない。

 来た道を戻るだけなのだが、陽の光に反射する木々や、浜辺に打ち寄せる波が、時の移り変わりとともに、さまざまな姿を見せる。飽きることのない景色を眺めながら走っていると、ゴールの尾道市民センターむかいしまに到着した。

「自転車で街中を走っているときは、すれ違う人がいても互いに挨拶(あいさつ)はしなかったのに、自然豊かな中を走っていると、当たり前のように挨拶を交わしますよね。自然の中にいると、心の壁がなくなるのかもれません」

 寺川昌志(てらかわまさし)・生長の家広島教区教化部長(*)は、自然の中を自転車で走ることの素晴らしさを強調する。

 ゴールした参加者は、皆一様に、達成感から喜びにあふれ、満面の笑顔で、サイクリングの気持ち良さを語りあっていた。

因島アメニティ公園しまなみビーチで

因島アメニティ公園しまなみビーチで

* 生長の家の教区の責任者