TIさん 新潟県・22歳・会社員 取材●長谷部匡彦(本誌)/撮影●遠藤昭彦

TIさん 新潟県・22歳・会社員
取材●長谷部匡彦(本誌)/撮影●遠藤昭彦

 大学生時代に友人関係で悩み、精神的に参ってしまったとき、友人から誘われて生長の家の集まりに参加した。「どうにもならないときは、すべてを神に委(ゆだ)ねよ」という講師の言葉がきっかけで、気持ちが楽になり、物事の明るい面を見る生き方を続けるうちに、自然と明るい環境が現れてきた。

 待ち合わせ場所の生長の家新潟教化部(*1)に、TIさんは、爽(さわ)やかな笑顔で現れた。大学卒業を間近に控(ひか)え、この4月から、東京に本社のある大手システムエンジニアリング会社への就職が決まっているという。

「うまく就職できた理由の一つは、物事の明るい面を見られるようになったからだと思います。面接のときに『リーダーになったら、どんなことに気をつけて仕事を進めていきますか?』という質問に、『様々な人の意見を聞いて、良い部分だけに着目して進めていきたいです』と答えました。それが良かったのかも知れません」

精神的に落ち込んで

hidokei87_rupo_6 Iさんは、中学では野球部の副キャプテンとして練習漬(づ)けの日々を送り、高校生になると、その反動からアルバイトとネットゲームに明け暮れたという。パソコンが好きだったので、平成25年に情報系の大学に入学。「将来は一流のシステムエンジニアになりたい」という明確な目標ができて、これまでになく学業に打ち込むようになった。

 だが、2年に進級した頃から、友人関係に悩むようになった。

「友人との間で、価値観の違いなどから関係がこじれて精神的に参ってしまい、勉強に集中できなくなってしまったんです。大事な国家試験の基本情報技術者試験に落ちてしまうなど、何をやっても上手(うま)くいかない状態が1年ほど続きました」

神様に委ねる

 そんな大学3年の4月、生長の家の教えを信仰している友達から、生長の家青年会の誌友会(*2)に参加してみないかとの誘いを受けた。Iさんは、小学生の頃、母親の勧めで練成会(*3)に参加したことがあったが、中学生になってからは部活が忙しくなり、生長の家の行事からは離れていた。

「気分を変えたくて、誌友会に参加するようになりました。みなさん、裏表のない純粋な人たちで、素直な気持ちを表現できるだけで癒(いや)される感じがしました」

 ある時の誌友会でのこと、講師のこんな言葉に心を動かされた。

「人生では自分でなんとかしようとすると、余計に悪い方向に行ってしまうことがある。そんなときは、善なる神様に手綱(たづな)を委(ゆだ)ねた方がよいこともある」

 この言葉にIさんは、悩み苦しんでいた友人関係の問題を心から放(はな)って、生活しようと決めた。

良い面を観る

 そう気持ちを切り替えてから、Iさんは学業に集中できるようになり、国家試験にも合格できた。

 3年生の冬になり、就職活動が始まると、自分を信じて妥協せずに就活をしようと決意。自分の人間性をもっと磨くにはどうしたらいいかと考えたとき、誌友会などで共に教えを学ぶ人たちのことが心に浮かんだ。

「笑顔で人の話を受け入れてくれるような雰囲気があり、『そんな考え方があるんだ』とか『その考え方いいね!』という言葉が交(か)わされているので、自信をもって発言できるんです。そうした物事の良い面に注目する、生長の家の日時計主義(*4)が好きで、自分も他の人の良いところを引き出せるような社会人になりたいと思うようになったんです」

よいことが現れる

 Iさんの第一志望は業界大手で、競争率が非常に高い企業だった。その採用試験の中で、就職希望者6名で討論しあうグループディスカッションがあった。そうした場合、競い合う気持ちが生まれてしまい、他の人の意見に耳を傾(かたむ)けなくなってしまいがちという。

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「でも、システムエンジニアの仕事は、複数の人間で協力しながら開発を行うものですから、逆に言えば、様々な個性をもった仲間の能力を長所として引き出すことができれば、よいチームになります。私はメンバーから良い意見が出やすくなるよう、普段から心がけている日時計主義を実践しようと思いました。共感する言葉を多めに使い、他の人の意見の良いとこ取りをするように議論すると、導き出した結論は、みんなが納得のいく内容になりました」

 結果として就職試験に合格し、無事に内定をもらうことができた。さらに勉強も勢いづき、国家資格である応用情報技術者の試験に合格することができた。

「どんな瞬間からでも、たとえ何をするにしても、遅すぎることはないんですね。本気で取り組んだことには価値があり、たとえ失敗したとしても、その経験は成功への種となり、必ず人生の役に立つんですね」

*1 生長の家の布教伝道の拠点
*2 生長の家の教えを学ぶ小集会
*3 合宿して教えを学び、実践する集い
*4 太陽の輝く時刻のみを記録する日時計のように、物事の明るい面に心を向け、記憶にとどめ、表現する生き方のこと