FTさん 岐阜県・17歳・高校3年 取材●長谷部匡彦(本誌)写真●永谷正樹

FMさん 岐阜県・17歳・高校3年
取材●長谷部匡彦(本誌)写真●永谷正樹

 声優をめざしているFMさんは、高校を卒業後、名古屋市内にある短期大学の声優・タレントコースへの進学を考えている。

「中学生の時に観ていたテレビアニメで声優をしていた福山潤さんの、周りを明るくする話し方に惹かれました。いつか自分も声優になって、マイクの前で肩を並べて仕事ができたらと思うんです」

 小学3年生から中学1年生まで、地元の少年少女合唱団に所属していたFさんは、女性講師のきれいな声に憧れ、声を使う仕事をしたいと思っていたという。合唱団での発声練習に加え、小学生のときに通っていた空手道場で大きな声を出していたことが、ボイストレーニングになったと、ハキハキした声で語る。

 そんなFさんは、幼い頃から母親とともに生命学園(*1)に通い、小中学生対象の練成会(*2)にも毎年参加していた。だが、中学2年の2月のこと、ふとしたことから大切な友達の信頼を裏切ってしまい、そんな自分を責め、ひきこもりがちの生活になってしまったという。

「落ち込んでいたときに、嵐の『明日の記憶』という曲を聴きました。『何色の明日を描きますか?』というフレーズがあって、たとえ過去に嫌なことがあっても、明日を何色に描くかは自分で決められるんだと、未来に向かう力を与えられました」

 中学3年生の夏に参加した練成会では、心に溜まったマイナスの思いをありのままに紙に書きだし、『甘露の法雨』(*3)を誦げながら、その紙を焼却して心を浄める「浄心行」を行った。

「そのとき青年会の先輩から、和解の神想観(*4)も教えていただきました。それから11月まで、『私はあなたを赦しました。あなたも私を赦しました。あなたと私とは神において一体です』という言葉を唱えながら、相手と和解した姿を思い描いて祈っていたら、12月に友達と仲直りは出来ました。でも、以前のような関係には戻れなかったんです」

 翌平成29年に高校に進学。その秋に参加した中高生練成会の後に、Fさんはこんな体験をした。

「夢の中に、仲違(なかたが)いした友達が笑顔で現れたんです。目が覚めたあとに、友達への感謝の気持ちが湧いてきて、それからは心のモヤモヤが軽くなりました」

 その年の12月、養老町で行われた「養老改元1300年祭」のなかで、県内で活動する音楽劇団が上演した『養老物語』に、Fさんは町民キャストの一人として、木こり役を演じた。

「男性の役を演じられたのが、とても新鮮でした。もともと自分以外の人になったことを想像するのが好きなので、演技することにも興味があります。将来は、多くの人の心に明るい光を届けられるような声優になれるよう頑張ります」

 夢に向かって動き始めたFさんの表情は、優しさに溢れていた。

*1 幼児や小学児童を対象にした生長の家の学びの場
*2 合宿して教えを学び、実践するつどい
*3 生長の家のお経のひとつ
*4 生長の家独得の座禅的瞑想法