河内千明さん(かわうち・ちあき)71歳 新潟県長岡市   取材/磯部和寛 写真/堀 隆弘 朝晩の神想観と聖経読誦を欠かさない河内さんは、「回を重ねるごとに、自分自身が成長するとともに喜びも増していきます」と語る。

河内千明さん(かわうち・ちあき)71歳 新潟県長岡市  
取材/磯部和寛 写真/堀 隆弘
朝晩の神想観と聖経読誦を欠かさない河内さんは、「回を重ねるごとに、自分自身が成長するとともに喜びも増していきます」と語る。

ボランティア活動への
意欲を高めてくれる神想観

 河内千明さんは、小学校の教員、校長として、新潟県内の教育現場で教鞭(きょうべん)を執(と)ってきた。平成17年に定年退職した後は、町内会長を務めたほか、青少年赤十字賛助奉仕団の新潟県副団長として、小中の赤十字加盟校の教師や生徒らに、赤十字の精神や奉仕活動の意義を伝えたり、交通安全協会の支部長を務めるなどのボランティア活動を行ってきた。

 現在は、地域のコミュニティセンター長として働いているが、午前で仕事が終わるため、午後は、近所にある柿川の土手の清掃をしたり、園長を務めている生命学園(*1)の畑の世話に出かけたりと、多忙な毎日を送っている。

「『今日は畑にこの種を蒔(ま)こう』などと、ふと思いつくんですが、その時が最も適したタイミングのことが多いんですね。神想観(*2)によって、神様の知恵をいただいているからだという気がします」

 ボランティア活動を始めたのは、小学校の校長を務めていた平成16年。その年に起きた新潟県中越地震の際、勤めていた学校へ避難してきた人たちが、赤十字の救援を受ける姿を見て、人を助ける活動の重要性を痛感したからだった。

 またその頃から、生長の家長岡教化部(*3)で行われていた早朝行事に通い、熱心に神想観を実修。昨年(平成26年)からは自宅で行じるようになり、そうした毎朝の神想観が、ボランティア活動への意欲を高めてくれているという。

「神想観によって、自分の中に神のいのちが宿っているという自覚が深まると、すべての人に同じ神のいのちが宿っていることが分かって、自然に、神のいのちでつながっている人のために、何かをしようという気持ちが深まっていきました」

自宅近くの柿川土手の草を刈る河内さん。「戦時中、長岡が空襲された際、多くの人が飛び込んで亡くなった柿川の美化活動を行うための助成金をいただき、備品を購入できました」

自宅近くの柿川土手の草を刈る河内さん。「戦時中、長岡が空襲された際、多くの人が飛び込んで亡くなった柿川の美化活動を行うための助成金をいただき、備品を購入できました」

 降雪量の多い長岡市には、「流雪溝」という、道路の下に設けられた水路に、投雪口から雪を落として流す設備がある。が、除雪車が道路脇に跳(は)ね飛ばした雪で投雪口が塞(ふさ)がれ、使えなくなることもしばしばある。そこで河内さんは、自費で購入した除雪機で蓋に積もった雪を払い、流雪溝を使えるようにして、町内の人たちに喜ばれている。

「皆さんが流雪溝を使えるようになって、この町内は、道路上に雪のない地域として知られるようになりました。平成25年には、自治体に助成金を申請し、もう1台、除雪機を購入したので、もっと便利になりました」

 そんな河内さんは、平成18年、自宅の屋根に9.6キロワットのソーラーパネルを設置し、今年(平成27年)、車をハイブリッドから、より低燃費なPHEV車(*4)に買い替えるなど、環境保全への意識も高い。神のいのちでつながっているのは、自然も同じであり、地球環境に配慮した生活をするのは当たり前だという。

「ソーラーパネルもPHEV車も、神想観で祈り続けたおかげで、最も良いタイミングで実現できました。人のため、地球のためという思いで祈りながら行動していると、物事がスムーズに運びます」

人は皆、神の子で
無限の力を持っている

 河内さんは、両親が生長の家信徒だったため、小さい頃に教えに触れた。が、自ら信仰するようになったのは、高校1年生の時、本部練成道場(*5)で行われた高校生練成会(*6)に参加してから。「人間・神の子」の教えや日本の国の素晴らしさを説く講話に感動し、青年会(*7)活動に励むようになった。

 大学を卒業して小学校教員となってからは、忙しくて生長の家の活動から遠ざかったが、『生命の實相』(*8)を繰り返し読み、鹿沼景揚・東京学芸大学名誉教授(生長の家本部講師、故人)の本や話を通して、生長の家の教育法を学んだという。

妻の静子さんも河内さんと同じく元教員で、「部活指導に全身全霊で打ち込めたのは、理解のあった妻のおかげです」と河内さん。

妻の静子さんも河内さんと同じく元教員で、「部活指導に全身全霊で打ち込めたのは、理解のあった妻のおかげです」と河内さん。

「『人は皆神の子で、無限力がある』、良い点を認めて伸ばす『褒(ほ)める教育』という教えを知って、教育の現場で実践しました」

 それは、長く体育主任を務めた河内さんが、小学校の水泳部を指導した際に発揮された。行く先々の小学校で、「どの子にも無限力がある」という信念に基づき、ハードな練習を課しながらも叱らず、褒めて伸ばす指導を行い、赴任したすべての小学校の水泳部を県のトップクラスにし、全国大会にも出場させる実績を残した。

「私は剣道4段で、もともとは剣道部の指導をやっていましたが、その頃は未熟で、『才能のある子供しか勝てない』と思っていたんですね。しかしその後、『褒める教育』で水泳部の指導にあたると、まったく泳げなかった子供も、県内トップクラスの選手に育ち、生長の家の教えの素晴らしさを目の当たりにしました」

 河内さんが情熱を燃やし、全力でぶつかった部活指導を通して得た体験の数々は、『無限力への挑戦「やれば出来る」を実証した子供たち』(日本教文社刊)という本に収められている。

「その頃は、神想観という形ではありませんでしたが、毎晩、帰宅後、寝る前に、部員ひとりひとりの顔を思い浮かべて、その子が持っている素晴らしい力が発揮されるよう、一心に祈っていました。この時の体験が、後に神想観を通して、人のために尽くすボランティア活動に繋(つな)がったと思っています」

*1 幼児や小学児童を対象にした生長の家の学びの場
*2 生長の家独得の座禅的瞑想法
*3 生長の家の布教・伝道の拠点
*4 コンセントから差込プラグを用いて直接バッテリーに充電できるプラグインハイブリッドカー(plug-in hybrid car) のこと
*5 東京都調布市飛田給にある生長の家の施設
*6 合宿形式で生長の家の教えを学び、実践するつどい
*7 12歳以上40歳未満の生長の家の青年男女の組織
*8 生長の家創始者・谷口雅春著、全40巻。日本教文社刊