塚越 誠(つかこし まこと) 昭和36年、東京生まれ。昭和61年に山梨県北杜市に移住。有機農法による米作り、野菜作りを行う。生長の家国際本部の職員食堂に米を納めている。

塚越 誠(つかこし まこと)
昭和36年、東京生まれ。昭和61年に山梨県北杜市に移住。有機農法による米作り、野菜作りを行う。生長の家国際本部の職員食堂に米を納めている。

「人に対してむやみに薬を使うのは誤り」という考え方から、農作物についても、1930年頃から不耕起、無肥料、無農薬、無除草など、自然の力を生かして栽培する方法が用いられるようになりました。その結果、たとい肥料を入れなくても、作物の収量は変わらないことが分かったわけですが、その理由として上げられるのは、窒素(ちっそ)固定菌の存在です。

 これは、大気の80%を占める窒素を微生物の働きで固定し、植物が利用できるようにするものです。マメ科植物の窒素固定菌については、以前からその存在が知られていましたが、最近では、サトウキビの中に棲(す)みついて、空中の窒素を固定する菌や、シロアリ、カブト虫、クワガタなどの甲虫(こうちゅう)類の腸内にも窒素固定菌がいて、窒素がほとんど入っていない木の皮で堆肥(たいひ)を作っても、そうした甲虫類の働きで、出来上がった堆肥には十分窒素が含まれていることが分かってきています。

 窒素固定菌は、肥料が少ないと、微生物と協力しながら栄養を取り込もうとしてできるため、必要以上に肥料がある土壌では増えないという特徴を持っています。

通路に雑草を生えさせた、サニーレタスの草生栽培

通路に雑草を生えさせた、サニーレタスの草生栽培

 リンやカリウムなどのミネラルについても、窒素固定菌と同じように、植物の根に共生している菌根(きんこん)菌がいて、土中にある岩石を溶かして取り出しています。いろいろな植物があることで菌根菌の種類も増え、その菌同士が、養分をやり取りしていることも明らかになっています。

 単一作物だけでなく、コンパニオンプランツといって、相性(あいしょう)の良い野菜同士を近くに植えると、虫除(よ)けになるだけでなく、お互いによく成長するのも、菌根菌の繋(つな)がりによるものなのです。

 その意味で、作物以外の、雑草と呼ばれる植物とも上手(うま)く共生し、生命のバランスを崩(くず)さないようにすることで、不耕起、無肥料、無農薬、無除草などの自然栽培が成り立つのだと思います。

*生長の家では、SNIオーガニック菜園部というクラブがあり、ノーミートの食生活を心がけ、野菜や穀物を有機農法によって自ら栽培することに挑戦している。