大森靜子(おおもりしずこ)さん│76歳│横浜市旭区 取材/磯部和寛 写真/近藤陽介 布ぞうり作りにいそしむ大森さん。「満足のいくものができた時ほど、人に差し上げたくなるんです」

大森靜子(おおもりしずこ)さん│76歳│横浜市旭区 取材/磯部和寛 写真/近藤陽介
布ぞうり作りにいそしむ大森さん。「満足のいくものができた時ほど、人に差し上げたくなるんです」

 昨年(2016)12月半ば、大森靜子さん宅を訪ねると、翌年3月に開催される「生長の家かながわ自然のめぐみフェスタ(*1)2017」に出品するための、布ぞうりを作っているところだった。

 材料は、着物を洋服にリメイクした際の余った端切(はぎ)れ、不要になったシーツを自ら草木染めで着色した布を紐(ひも)状にしたもの。大森さんは、プラスチックダンボールを切って作った型を土台にして制作する。

「一昨年、区が開催する講座で、この作り方を教えてもらったんですが、こうして作ると、編み込む作業が一足につき一時間足らずで済みます。皆さんが喜んでくださるので、たくさん作って差し上げました」

 リメイクを始めたのは、姑(しゅうとめ)を見送った後の7年前。祖母や実母、継母が遺(のこ)した着物を生かせないか、と思ったのがきっかけだった。本で学び、見よう見まねでブラウス、ジャケット、ネックレスなどを作るようになった。

 服については当初、型紙を用いた洋服を作ったが、最近は、もっぱら型紙いらずのチュニック風(*2)の服を作る。フリーサイズでゆったり着られる上、縫い物の経験が浅くても容易に作れるところが魅力と言う。

「着物の生地をなるべく切らず、特性を生かすようにしています。服にしろ小物にしろ、満足のいく物ができると人にあげて喜んでもらうのが、私の“元気の源”です」 

 生長の家の教えに触れたのは、平成5年のこと。30数年前からの持病であるリウマチと、夫が経営する会社の経営不振に悩んでいた大森さんは、知人に勧められ、当時、東京・原宿にあった生長の家本部(*3)に出向いて講話を聴いた。

「神様の世界では、すべて良くなるしかない」という話に感動し、神奈川教区の練成会(*4)に参加するようになると、継母、夫に感謝の思いが湧き、心境が一変したという。

「浄心行(*5)で、幼少期に可愛がってもらえなかった継母への恨み、アルコール依存症になった夫への不満を紙に書き、聖経読誦(どくじゅ *6)とともに燃やすと心がすっきりしました。そして気づいてみたら、夫の会社は持ち直し、リウマチも消えていたのです」

 平成13年、夫は亡くなったが、信徒仲間とともに生長の家の活動に励むことで、悲しみを乗り越えることができた。

「私が1歳の時に亡くなった実母、そして、私を生長の家に導いてくれた継母が遺した着物を手に取ると、温(ぬく)もりと懐(なつ)かしさが感じられる気がします。リメイクしている時、本当に楽しい気持ちになれるのは、私を見守ってくれている二人の母のおかげだと思います」

信徒仲間と。共に俳句を楽しむ仲間でもあるそうだ

信徒仲間と。共に俳句を楽しむ仲間でもあるそうだ

*1=生長の家神奈川教区で開かれる自然の恵みに感謝し、低炭素なライフスタイルを実践するイベント
*2=丈が長め(腰から膝ぐらいまで)の上着を指す
*3=現在の生長の家国際本部
*4=合宿形式で生長の家の教えを学び、実践する集い
*5=過去に抱いた悪感情や悪想念を紙に書き、生長の家のお経『甘露の法雨』の読誦の中で、その紙を焼却し、心を浄める行
*6=生長の家のお経を読むこと