下園佳子(しもぞのよしこ)さん│44歳│東京都豊島区 取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘 「将来的には、編み物教室で教えたりもしてみたいので、そのためにも、もっと腕を磨きたいです」

下園佳子(しもぞのよしこ)さん│44歳│東京都豊島区 取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘
「将来的には、編み物教室で教えたりもしてみたいので、そのためにも、もっと腕を磨きたいです」

 東京都豊島区にある下園佳子さんの自宅を訪ねると、白を基調としたインテリアの部屋に、ニットでできたジャケット、ワンピース、帽子、バッグ、ストールなどが並び、お洒落(おしゃれ)なブティックに来たような気がした。すべて下園さんの作品で、手編みで制作された一点ものである。

「時間も手間(てま)もかかりますが、できあがった時の喜びは格別です。使う糸や編み針、色選びなどを組み合わせることで、無限の表現ができるのが、編み物の大きな魅力です」 

青、白、紫のグラデーションが美しいニットで作ったジャケットとコサージュ

青、白、紫のグラデーションが美しいニットで作ったジャケットとコサージュ

 作品に使われた色や模様の美しい組み合わせ、きっちりと揃(そろ)った繊細な編み目から、心を込めて丁寧(ていねい)に作られたことが伝わってくる。一つの作品を仕上げるのに数カ月かかるといい、気が遠くなるような作業に思ってしまうが、下園さんにとって、編み物はなくてはならない生活の一部だという。

「夢中で編んでいると、日々の生活の中で感じたストレスなど、いつの間にか忘れてしまって、すっきりするんですね。編み物をすることは、私にとって、心を整えるための大事なひと時なんです」

 編み物が好きだった母親や祖母の影響で、小学生の頃から小物を編んで楽しむようになった。中高生時代、さらに社会人になってからも、セーターを編んだり、趣味として編み物を続けていた。平成18年に33歳で結婚し、秋田県から上京した後は、一時遠ざかっていたが、5年前、39歳の時に再開した。

「自宅近くに編物学校があるのを知って、『基礎から本格的に習いたい』と思うようになり、派遣やパート社員として働く傍(かたわ)ら学校に通い始めました。今年の1月には指導員資格を取得し、今は、師範を目指して、さらに技術を磨(みが)いているところです」

 生長の家の教えに触れたのは、平成2年、父親が腎臓がんになった時のこと。知り合いから教えを伝えられていた母親を通してだった。母親とともに父親の病気を治したい一心で、『生命の實相』(生長の家創始者・谷口雅春著、全40巻。日本教文社刊)などの書籍を読んだ。

「それから間もなく、父は48歳で亡くなりましたが、『人間の生命は永遠生き通し』という教えを学んでいたことが、大きな支えになりました」と言う。

制作中のかごバッグ。「素材や編み方を変えると、いろんな表現ができます」

制作中のかごバッグ。「素材や編み方を変えると、いろんな表現ができます」

 最近は、「SNIクラフト倶楽部(クラブ)」(*)に加入し、編み物作品をフェイスブックにも発表している。

「編み物は編み目の一つ一つ、一段一段を少しずつ編み進めるので、すぐに出来上がるものではないですが、続ければいつか必ず形になります。日々努力を積み重ね、目標を持って、より良い作品を作っていくことは、人の生き方にも通じるところがあると思っています」

=生長の家の会員で、主に自然素材を使った手作り作品を作るプロジェクト型の組織。