竹内加代子さん│63歳│富山県朝日町 取材/磯部和寛 写真/近藤陽介 使わなくなったアルミ缶を利用し、花のオブジェなどを制作している竹内さん。メタリックな現代アート風だが、和室にも不思議にマッチする

竹内加代子さん│63歳│富山県朝日町
取材/磯部和寛 写真/近藤陽介
使わなくなったアルミ缶を利用し、花のオブジェなどを制作している竹内さん。メタリックな現代アート風だが、和室にも不思議にマッチする

 竹内加代子さんは、使用済みのアルミ缶を利用し、花のオブジェなどのアートを制作している。その作品は、町の美術展などで入賞しているほか、昨秋(2015年)、富山県教化部(*1)で開かれた「生長の家自然の恵みフェスタ2015」にも展示され、好評を博した。

 作り方は、まずアルミ缶を切り開いて板状にし、あらかじめ火で炙(あぶ)っておく。それを金ばさみを使って花びらと葉っぱの形に切り抜き、丸めて花びらに成形していく。

「なんでもひらめきで動くタイプなので、細かいことは気にしないんです(笑)。日常のいろんなストレスが溜まってくると、寝る時間を削ってでも作りたくなってしまうんですね。でも、制作に没頭していると、どんどんエネルギーが湧いてきて、心も体もすっきりします」

上/作品を作っていると、「アルミに命が入った」と感じる瞬間があるという 下/「アルミを切って編み込んだら面白いのでは」というアイディアを形にした作品。不揃いな編み目や焦げと光沢の質感が目を引きつける

上/作品を作っていると、「アルミに命が入った」と感じる瞬間があるという
下/「アルミを切って編み込んだら面白いのでは」というアイディアを形にした作品。不揃いな編み目や焦げと光沢の質感が目を引きつける

 その後、クラフトナイフで葉っぱに葉脈を刻み、アルミワイヤーで作った花心を、花びらや葉っぱに通して形を整えると、メタリックで、飴色(あめいろ)の光彩を放つ花のオブジェが完成する。

 この飴色は竹内さんのオブジェ独得のもので、約20年前、ふと『アルミ缶を炙ったらどうなるんだろう?』と思いついたのがきっかけで生まれた。

「炙(あぶ)ってみると、きれいな飴色になり、それに感動して、『これで何か作れないかな。花はどうかしら?』と思い浮かんだのがオブジェを作ることでした。なんの経験もなかったんですが、やって見ると形が自在に変化するなど、本当に面白くて、それから独学で楽しく作り続けてきました。あの時、何気なしにひらめいたのは、神様の導きだった気がします」

 竹内さんは、母親の影響で中学生の頃から生長の家の教えを学ぶようになり、青年会(*2)活動を通して知り合い、結婚した夫、寿実(としみつ)さんと共に信仰を糧(かて)に生きてきた。平成16年、長男が大病を患った時も、ひたむきな信仰で乗り越えた。

「私は、心の底から夫と調和していなかったことを反省するとともに、宇治別格本山(*3)の練成会(*4)に参加して、真剣に教えを学び直し、完全円満な神の子としての長男の実相(*5)を祈るようになったんです」

てきぱきとハサミを入れ、アルミを花の形に切っていく

てきぱきとハサミを入れ、アルミを花の形に切っていく

 寿実さんと一緒に神想観(*6)、聖経(*7)読誦を重ね、「長男のことは神様に全托しよう」という心境になると、6カ月ほどして長男の病は快癒(かいゆ)した。

「今、30歳になった長男は、元気で仕事をしています。嫁に行った娘2人の下には、それぞれに2人の孫がいて、近々もう1人ずつ生まれる予定です。この幸せを噛(か)みしめながら、自分の楽しみとしてオブジェ作りを続けていきたいですね」

*1=生長の家の布教・伝道の拠点
*2=12歳以上40歳未満の生長の家の青年男女の組織
*3=京都府宇治市にある生長の家の施設。宝蔵神社や練成道場などがある
*4=合宿形式で生長の家の教えを学び、実践するつどい
*5=神が創られたままの本当のすがた
*6=生長の家独得の座禅的瞑想法
*7=生長の家のお経の総称