いのちの環No64ルポ写真1

北原明美さん
52歳│福井県若狭町
取材/磯部和寛 写真/中橋博文

義父と先祖の導きで生長の家に触れる

 若狭湾、三方五湖(みかたごご)、瓜割(うりわり)の滝などで知られる福井県若狭町。その町を見下ろす高台にある墓地で、義母の久子さんとともに、北原明美さんがお墓の掃除をしていた。

「お墓に参ると、ご先祖様から命がつながってきて自分が生かされ、いつもご先祖様に護られていることを感じます」

 明美さんは、毎朝、仏壇に向かい、先祖への感謝の気持ちを込めて、聖経(*1)と浄土真宗『正信偈(しょうしんげ)』(*2)のお経を唱えている。平成26年5月に亡くなるまでは、トイプードルのラブちゃんも、膝の上に乗ってきて、一緒にお経を聴いていたという。

「ラブちゃんは、家で誌友会(*3)を開いた時は、参加者の皆さんを和ませてくれるなど、とっても可愛い子だったので、死んだ時は泣けて泣けて……。でも、人の命も動物の命も、神様からいただいたいのちであると、生長の家で学んでいたので、悲しみから立ち上がれました」

 生長の家の教えに触れたのは、信徒だった義父の平雄(ただお)さんを通してだったが、入信したのは平雄さんの死後のこと。それは、義父や先祖の導きによるものと感じたという。

少しでも家族が良くなるようにとの願いから

 平雄さんは、自宅で誌友会を開催するなど熱心に生長の家を信仰していた。その影響で、妻の久子さんも誌友会に参加していたが、信仰を押し付けられることはなく、明美さんは、夫の辰夫さんと共働きをしていたこともあって、誌友会のことさえ知らなかった。

「平成23年に義父が亡くなった後、福井県教化部(*4)から届いた通知に従い、何も分からないまま、永代供養をさせていただきました」

 それから数カ月経って、明美さんは、「少しでも家族が良くなるように」と願い、知人から勧められた祈祷師のアドバイスに頼るようになった。だがそれは、決断するための善き後押しの言葉ではなく、今まで気にかけていないことにまで不安をあおるものだった。マイナスの言葉にとらわれるようになって、自分で物事を決められなくなってしまった。

「必ずよくなりますよ」の言葉に安堵(あんど)して

「このままではいけない。なんとかしなくては」と思った時、目に留まったのが、久子さんが読んでいた『白鳩』(*5)だった。何気なく手に取ると、巻末にあった「あなたが変われば世界が変わる」「人生のあらゆる問題を解決する練成会(*6)」などという言葉が目に飛び込んできた。その時、「私が救われるのはここしかない」と直感した明美さんは、平成24年3月、宇治別格本山(*7)の練成会に参加した。

「個人指導で講師に話すと、『あなたは、ここで永代供養を受けているお義父さんに導かれてここに来たんですね』と言われ、その言葉が素直に心に入ってきました。悩みのことも『必ず良くなりますよ』と言われ、ほっとしました」

 また、明美さんは、「人生も運命も健康も、すべて自分の心で変えられる」と知って、心が救われた。そして、「物事を決めるのに悪い日や悪い方角などなく、夫が喜ぶようにすれば一番良い方にいく」「毎朝、目を覚ました時、『あらゆる面で一層よくなる』と20回唱えるとよい」と教えられ、気持ちが楽になったという。

「その年の9月、福井県教化部の物故者慰霊祭に参加することになり、そこで、ご先祖様のありがたさを感じる体験をしたんです」(つづきは紙版で、ご覧下さい)

*1 生長の家のお経の総称
*2 「正信念仏偈」のことで、親鸞の著書『教行信証』「行巻」の末尾に所収の偈文
*3 生長の家の教えを学ぶ小集会
*4 生長の家の布教・伝道の拠点
*5 女性向けの本誌の姉妹誌
*6 合宿形式で生長の家の教えを学び、実践するつどい
*7 京都府宇治市にある生長の家の施設。宝蔵神社や練成道場などがある

いのちの環No64ルポ写真2

右/朝、仏壇に向かい、先祖のためにお経を誦げる。先祖からの命のつながりを思うと、周囲の全てに感謝の思いが湧いてくると言う
左/先祖供養を大切にしている明美さん。この日は、義母も一緒に墓参りに来た。「義父の導きで生長の家に振り向き、ご先祖様のありがたさに気づくことができました」