塚越 誠(つかこし まこと) 昭和36年、東京生まれ。昭和61年に山梨県北杜市に移住。有機農法による米作り、野菜作りを行う。生長の家国際本部の職員食堂に米を納めている。

塚越 誠(つかこし まこと)
昭和36年、東京生まれ。昭和61年に山梨県北杜市に移住。有機農法による米作り、野菜作りを行う。生長の家国際本部の職員食堂に米を納めている。

 農作物を作るのに、化学肥料や農薬が用いられるようになったのは、せいぜい100年くらい前からで、大量に使われ始めたのは、ここ50年ほどのことです。長い農業の歴史からしたら、つい最近のことと言っていいでしょう。

 ですから、化学肥料、農薬の使用が、環境、人体にどのような影響を及ぼすのか、はっきりしたことが分かるには、まだ時間がかかると思います。

 化学肥料、農薬を使って栽培された作物を食べても、直(ただ)ちに環境や人体に影響があるわけではありません。ただ、一番被害を受けやすいのは、化学肥料、農薬を散布(さんぷ)する農家の人で、中毒症状を起こしたり、死亡例も報告されているほどです。

 しかし、農家として生活していくには、市場のニーズに応(こた)え、旬(しゅん)でない時期に、化学肥料、農薬を使い、虫も食べないような野菜を作らざるを得ない状況にあります。

無農薬、無化学肥料による野菜作りに励んでいる塚越さん

無農薬、無化学肥料による野菜作りに励んでいる塚越さん

 また、日本は高温多湿の気候のため、無農薬、無化学肥料で野菜を栽培し、生計を立てるのは大変難しいのです。また昨今(さっこん)、そうしたことに拍車(はくしゃ)をかけているのが、山から里に下りてきたイノシシ、シカ、サルなどによる作物被害が増えていることです。

 人間による乱開発で自然界の秩序が壊(こわ)れ、人間と動物の棲(す)み分けができなくなったためで、私の畑も電気柵(さく)で囲わざるを得なくなっています。そうしないと、作物が食べ尽(つ)くされ、何も収穫できなくなってしまうからです。

 このように、無農薬、無化学肥料で野菜を栽培し、生計を立てていくのは厳しいことですが、安心・安全な野菜を食べ、人に提供できる喜びに優(まさ)るものはありません。これからも試行錯誤(しこうさくご)を重ねながら、消費者の皆さんが、安心して口にできる野菜をたくさん提供できるよう、無農薬、無化学肥料による野菜作りに励んでいきたいと思います。

 2年間にわたり、ご愛読いただきました皆さまに感謝申し上げます。

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*生長の家では、SNIオーガニック菜園部というクラブがあり、ノーミートの食生活を心がけ、野菜や穀物を有機農法によって自ら栽培することに挑戦している。