藤本徳子(ふじもととくこ)さん│72歳│山口県周南市 取材/磯部和寛 写真/遠藤昭彦 美術教室に通い始めて16年になる藤本さん。「試行錯誤を繰り返して、感性が養われてきたのを感じます」

藤本徳子(ふじもととくこ)さん│72歳│山口県周南市
取材/磯部和寛 写真/遠藤昭彦
美術教室に通い始めて16年になる藤本さん。「試行錯誤を繰り返して、感性が養われてきたのを感じます」

 山口県周南市にある絵画教室「カサブランカ」のアトリエを訪ねると、主宰者、牧野樹煕(しげひろ)さんのアドバイスを受けながら、キャンバスに向かう藤本徳子さんの姿があった。

 描いているのは、澄まし顔で椅子に座る、青い目をした少年。「人物を描くのはまだ2作目です。不慣れなので難しいですね」とはにかむが、その構図は、著名な絵画を模写したかのように決まっている。

 「スペインを旅行中、マドリードのお店で撮った子供の写真を基に描いているんです。牧野先生から、『写真は、絵の構図を思い描きながら撮りなさい』と常日頃言われているため、旅先や街中で、『この風景は絵になるかな』などと思いながら写真を撮っています」

 子供の頃から絵が好きで、「いつか本格的に絵を習いたい」と思い続けてきた藤本さんが、カサブランカに入会したのは平成12年。友人から誘われたのが縁だった。

故郷、京都の南禅寺を描いた作品

故郷、京都の南禅寺を描いた作品

 当初は、「何も分からなかった」と謙遜(けんそん)するが、東京芸術大学を目指す学生も集(つど)うカサブランカで鍛(きた)えられ、絵の感覚を磨(みが)いていった。

「影になっているように見える場所も、黒一色ではなく、他にいろんな色が入り交(ま)じっていることなども、先生に教わりながら試行錯誤を重ね、だんだん理解することができるようになりました。一番痛感したのは、自分で実際に目にし、感動したものでないと、いい絵にはならないということです」

 生長の家の教えには、信徒だった義母・センさん(故人)を通して触れた。「人間・神の子」の教えに感動し、センさんが亡くなった後、白鳩会(*1)支部長となった義姉の藤本禎子(やすこ)さんの後を引き継いで平成17年に支部長となり、以来、自宅で誌友会を開いている。

「嫁の私を褒(ほ)めてくれる、とてもいい義母だったので、その義母が信仰している教えなら間違いないと思い、誘われるままに入信しました。何か問題が起こってきても、すぐに気持ちを明るい方に切り替えることができるのは、生長の家の教えのおかげです」

 藤本さんの自宅には、これまで描いてきた、端正で色彩豊かなたくさんの絵が飾られている。その中で目を引くのは、情緒(じょうちょ)溢(あふ)れるタッチで描かれた、お寺の絵。藤本さんの故郷である京都の古刹(こさつ)、南禅寺(なんぜんじ)を描いたものだ。

「見ていると、子供の頃の思い出が蘇(よみがえ)ります。毎年出品する『東光会』の展覧会、市の美術展で大きな賞を獲(と)りたいという目標も持っていますが、ふるさとの風景を絵に残したいという思いの方が強いです。描きたい所がたくさんあるので、まだまだ元気でいて、絵を描き続けたいですね」

自宅庭に面したテラスから、被写体を探してカメラを構える藤本さん

自宅庭に面したテラスから、被写体を探してカメラを構える藤本さん

*1=生長の家の女性の組織
*2=生長の家の教えを学ぶ小集会