「安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター」は、自然体験活動の人材育成やアウトドア活動の普及を目的とした国内初の専門施設で、指導者向けの研修などに利用されている。センターの森にあるツリーハウスは、自然体験に興味のなかった人が自然と触れ合うきっかけ作りになっている。2017年からは、絶滅危惧種や希少種を保護するためのビオトープづくりも始めた。

安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター│長野県小諸市 取材/原口真吾(本誌) 写真提供/安藤百福センター 自然に馴染むように設計された安藤百福センターは、周囲の木々への日光を遮らない高さになっている

安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター│長野県小諸市
取材/原口真吾(本誌) 写真提供/安藤百福センター
自然に馴染むように設計された安藤百福センターは、周囲の木々への日光を遮らない高さになっている

 浅間連峰(れんぽう)を望む地にある「安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター」は、日清食品の創業者である安藤百福氏が設立した、公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団によって運営されている。

 同財団では、子どもたちが大自然の中で、登山やキャンプなどに挑戦する機会を提供し、子どもの創造力と自活力を育(はぐく)んできた。自然体験活動を支援する「トム・ソーヤースクール企画コンテスト」などのユニークな取り組みも数多く手がけている。

 

上:新緑の中では一際目を引くツリーハウス「チーズハウス」/中:屋内で行われた研修の一コマ。幅広い年代がセンターを訪れる/下:鳥を模したツリーハウス「birds eye view」

上:鳥を模したツリーハウス「birds eye view」/中:屋内で行われた研修の一コマ。幅広い年代がセンターを訪れる/下:新緑の中では一際目を引くツリーハウス「チーズハウス」

 一方、センターでは、自然体験活動の指導者養成と、指導カリキュラムの研究・開発の支援を行っている。NPO法人自然体験活動推進協議会(CONE)の加盟団体や、日本山岳ガイド協会の研修、地域のボーイスカウトの活動などにも使われ、一昨年度(2016)は、延べ6,000人余りが利用した。

 自然体験活動の裾野(すその)を広げることを目的とした「小諸ツリーハウスプロジェクト」では、著名なデザイナーや建築家が設計したツリーハウスをきっかけに、自然に興味を持ってもらい、イベントではワークショップなどへの参加を促している。

 また、自然体験活動の基本は「歩く」ことであるため、NPO法人日本ロングトレイル協会と連携してロングトレイル(*)シンポジウムなどを開催し、「歩く文化」の醸成(じょうせい)を図っている。センター周辺にはトレイルコースも整備し、地域住民とのコミュニケーションの場となっている。

 昨年(2017)の11月からは「小諸絶滅危惧種(きぐしゅ)ビオトープ プロジェクト」がスタートした。センターのスタッフの一人の安藤伸彌(のぶや)さんは、人と自然に豊かに触れ合う社会づくりのため、生態系の保全と生物多様性の向上にも力を入れていると語る。

「長野県には、県内とその周辺地域にのみ生息・生育している固有種が数多く存在しており、種や生態系レベルで高い多様性が見られます。人と自然に豊かに触れ合う社会の実現に向け、天然記念物に指定されている品種や絶滅危惧種の保全を積極的に行っていきたいと思います」

お問い合わせ先
http://www.momofukucenter.jp/ TEL/0267-24-0825

 


*=登山道やハイキング道、林道、古道などをつなぎ合わせた距離の長い自然歩道