塚越 誠(つかこし まこと) 昭和36年、東京生まれ。昭和61年に山梨県北杜市に移住。有機農法による米作り、野菜作りを行う。生長の家国際本部の職員食堂に米を納めている。

塚越 誠(つかこし まこと)
昭和36年、東京生まれ。昭和61年に山梨県北杜市に移住。有機農法による米作り、野菜作りを行う。生長の家国際本部の職員食堂に米を納めている。

 日本の有機JAS規格の基準は、農薬や化学肥料を3つ以上使っていない畑で収穫されたものとなっています。ただし、法律で認められている農薬もあり、JASマークが貼ってあれば、基準が満たされているということです。

 消費者からすると、購入時の判断がしやすくなったのですが、生産者は、この有機JASの認定をとるため、膨大(ぼうだい)な労力とコストがかかるようになり、小規模な農家には負担が大きくなりました。それもあって、もともと無農薬、無化学肥料で栽培している農家や有機JASより厳しい基準で栽培している農家でも、認定をとっていないのが現状です。

 有機野菜といっても、必ずしも無農薬とは限りません。日本の有機JAS規格では、約30種類の農薬が認められており、その中には、食品の食酢、重曹も入っています。一般の農薬より毒性が低いものが多いのですが、使用制限がないため、使用頻度(ひんど)によっては体に蓄積される恐れもあります。

 また、有機肥料ではなく無機肥料も認められているものもあります。草木灰(そうもくばい)、硫黄(いおう)、生石灰(せいせっかい)、消石灰、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどで、有機栽培には有機肥料だけが使われているわけではないのです。inoti97_organic_1

 堆肥(たいひ)の問題もあります。有機肥料には、家畜の糞尿(ふんにょう)などの動物性のものと菜種油粕(あぶらかす)、大豆油粕、米ぬかなどの植物性のものがあります。日本で飼育されている家畜のエサとなる大豆、トウモロコシ、大麦などの穀物はほとんど輸入物で、大部分は遺伝子組み換えです。またこれらのエサには、病気予防のために抗生物質が混ぜられています。

 有機栽培に限らず慣行栽培(かんこうさいばい)(*)でも、このようなエサを食べた家畜の糞尿堆肥を畑に使う農家は結構多くあります。海外では動物性堆肥にも規制や制限がありますが、日本にはないため、堆肥を入れ過ぎる傾向があるようです。

 国内産の稲わら、米ぬかも農薬で汚染されていることを考えると、有機JASの表示があるだけでは、本当の中身は分からず、信用できないということです。

 家庭菜園では、なるべく自然栽培に近づける工夫が必要であることと、野菜を購入する際も細心の注意が必要です。

*=従来行なわれている栽培のこと