「結いまーる自然農園」│山梨県北杜市 取材/原口真吾 写真/堀 隆弘 玉ねぎ苗床横の土の状態を見ている三井和夫さん

「結いまーる自然農園」│山梨県北杜市
取材/原口真吾 写真/堀 隆弘
玉ねぎ苗床横の土の状態を見ている三井和夫さん

 八ヶ岳南麓で、自然農を営む「結(ゆ)いまーる自然農園」では、畑を耕さない、肥料を極力持ち込まない、雑草や虫を敵としないを原則に野菜などを育てている。他にも、自然農の勉強会を月に1度開催し、参加者が自然との関係を見つめ直す機会も設けている。

 結いまーる自然農園の三井和夫さんは、平成2年に自然農実践者の川口由一氏に学び自然農園をスタートさせた。

 約1.2ヘクタールの農地では、雑草や虫を敵としないを原則とし、農薬や除草剤を使わず、外から肥料を極力持ち込まず、刈った雑草や収穫した野菜の茎などは、外に持ち出さずに畑に還している。

 大地が植物や虫を育て、また大地に還るという“いのちの循環”の中で、多くの生物が息づき、バランスのとれた環境が保(たも)たれれば、害虫と益虫の区別はなくなるという。

 田んぼ作りも行い、風土に適した早生種から晩稲(おくて)(*)まで、陸稲、赤米、黒米、コシヒカリ、イセヒカリなど、約9種類の米を育てている。6月に田植えをしてから水を張り、7月と8月に草を刈って田に敷く。雑草を1列置きに刈って、虫の逃げ場を残せば、棲(す)み家をなくした虫が稲に害を与えることが少なくなる。

上/中:畑には、カマキリなど、いろんな種類の虫たちが息づいている/下:さまざまな植物と野菜が共生している「結いまーる自然農園」の畑

上/中:畑には、カマキリなど、いろんな種類の虫たちが息づいている/下:さまざまな植物と野菜が共生している「結いまーる自然農園」の畑

 畑では、土がやせた時や野菜の育ちが悪い場合に、油かすや米ぬかを使用するが、購入する油かすは年間2キロ程度。また、種を播(ま)く時は雑草の根元を刈り、雑草の種を含む表面の土だけを取り去る。植物の根には、土に空気を含ませる働きがあり、さまざまな生物が棲んでいるため、畑を耕してしまうと、地面のバランスが崩れてしまうからだ。

 100種類ほどの野菜を育て、朝穫りたての野菜を購入希望者に送ったりしている。

 春はジャガイモの植え付けや夏野菜の育苗、夏は野菜の収穫や田植え、秋は大豆や米の収穫、冬は田畑や水路の整備などを行う。平成12年から始まった月に1回の勉強会は、若者から年輩の参加者で賑わい、関東から足を運ぶ人も増えてきているという。

 自然の循環に合わせた農作業は、参加者が自然との関係を見つめ直す機会になると、三井さんは語る。

「光と空気と水、その循環の中で作物が育っていきます。私たちは作物が育つ環境を整えるだけで、育てているのは大地です。自然の声に耳を傾け、自然に学びながら、持続可能な農業を展開していきます」

*=稲の品種で、普通より遅く成熟するもの

お問い合わせ先
http://mitsui-farm.la.coocan.jp/ TEL/0551-32-4705
勉強会の詳細は「八ヶ岳自然農の会」 http://www.geocities.jp/yatsu_na/