伊藤邦典(いとう・くにのり)さん│69歳│茨城県北茨城市 取材/多田茂樹 写真/堀 隆弘

伊藤邦典(いとう・くにのり)さん│69歳│茨城県北茨城市
取材/多田茂樹 写真/堀 隆弘

自作のロケットストーブで、煮炊きをすることもあるという

 茨城県北東部、太平洋に面した北茨城市の伊藤邦典さん宅を訪ねると、庭に設置された野立(のだ)て式のソーラーパネルが、太陽の光を浴びて輝いていた。

「2年前に設置しました。発電能力は8.34kWで、年間約1万kWhの電気を作ります」

 伊藤さんは、生長の家茨城教区県北地区の相愛会(*1)、白鳩会(*2)のメンバー(約10人)とともに、地元スーパーが主催する植林事業や海岸の清掃活動などに励んでいる。昨年(2017)5月には、茨城県笠間(かさま)市にある生長の家茨城県教化部(*3)近辺の愛宕山(あたごやま)山頂の山林で、約500人の参加者に混じり、スギ、ナラなど1,500本余りの木を植えた。

「自分が植えた木が、背丈(せたけ)を越えるほどに生長しているのを見ると、『ああ、木にもいのちがあるんだな』ということを改めて実感します」

 また、春と秋には、近くの磯原(いそはら)海岸の清掃活動も行っている。東日本大震災で海岸に打ち寄せられた大量のゴミをなんとかしたいと始めたものだが、伊藤さんら生長の家の活動に触発(しょくはつ)され、今は、北茨城市主催になっているという。

「海岸から見える二ツ島は、鵜(う)が棲(す)んでいた名所として知られていましたが、津波で木が削(けず)り取られ、見る影もありません。せめて海岸だけでもきれいにしようと思ってやっています」

自宅庭に設置した8.34kWの発電能力をもつ野立て式の太陽光発電。個人の住宅用としては大きな規模だ

自宅庭に設置した8.34kWの発電能力をもつ野立て式の太陽光発電。個人の住宅用としては大きな規模だ

 生長の家の教えには、地方講師(*4)だった父親の影響で触れ、子供の頃から「人間・神の子」の教えを学んで育った。50歳の時、通信設備会社の経営に行き詰まり、解決の糸口を求めて、妻の潤子(じゅんこ)さんと生長の家総本山(*5)の団体参拝練成会(*6)に参加した。

「講話を聴き、神想観(*7)をするうちに、『俺が俺がと、力んでいたのが間違いだった。会社のことは神様に全托(ぜんたく)し、懸命に働こう』という気持ちになり、実践することで、間もなく会社を建て直すことができたんです。それから相愛会に入って活動するようになりました」

 昨年(2017)12月には、所有するアパートの一室を生長の家の道場として開放し、県北地区の信徒たちに喜ばれている。

「汗を流しながら山の中で木を植え、潮騒(しおさい)を聞きながら海岸でゴミを拾っていると、『自然と人間は一つなんだ。自然を守るためにやっていることが、結局、自分のためになっているんだ』という思いが湧(わ)いてきます。これからも、植林と清掃活動を続けていきたいですね」

*1=生長の家の男性の組織
*2=生長の家の女性の組織
*3=生長の家の布教・伝道の拠点
*4=生長の家の教えを居住地で伝えるボランティアの講師 
*5=長崎県西海市西彼町にある生長の家の施設
*6=合宿形式で生長の家の教えを学び、実践するつどい
*7=生長の家独得の座禅的瞑想法