高橋きわ子さん│70歳│山形県山形市 「花に触れていると、その生命力に癒やされ、元気をもらえます」と高橋さん 取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘

高橋きわ子さん│70歳│山形県
「花に触れていると、その生命力に癒やされ、元気をもらえます」と高橋さん
取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘

 4月半ば過ぎ、高橋きわ子さんの自宅を訪ねると、庭いっぱいに、桜や雪柳(ゆきやなぎ)などの春の花が咲いていた。夫が庭の手入れをして育てた花は、高橋さんが生け花にし、夫婦で花に囲まれた暮らしを楽しんでいる。

「山形の冬は長く、春になって花が咲いた時の喜びは、とっても大きいんです。庭で季節の花々を眺め、部屋に飾ることで心が癒(い)やされる。花はわが家になくてはならないものですね」

 床の間には、葉桜の緑が美しい生け花が、窓辺のテーブルには、籠(かご)に生けた可愛(かわい)らしい椿(つばき)やカーネーションがさりげなく置かれ、家全体が明るい雰囲気に包まれていた。

「私たちが結婚する時、仲人(なこうど)を務めてくれた、夫の上司の奥様が、生け花の先生だったものですから、それが縁で、小原流(おはらりゅう)の華道を習うようになりました」

 23歳から始めた高橋さんの華道歴は、今年で47年。10年ほど前からは、柔軟な発想で花を生ける面白さに惹(ひ)かれ、フラワーアレンジメントも手がけるようになった。

「きちっとした形のある華道と、形にとらわれないフラワーアレンジメントでは、生け方が大きく異(こと)なりますが、共通するのは花の美しさを引き出すこと。どちらの場合でも、花たちが語り合っているような、和(なご)やかな雰囲気をイメージして生けています。山形県教化部(*1)にも時々、生けた花を持って行って飾り、皆さんに喜ばれています」

 生長の家の教えに触れたのは、中学生の頃、友人の母親から『白鳩』をもらって読んだのがきっかけだった。

縁側に置かれた花が光を浴びて輝く。「見た人が、ぱっと笑顔になってくれると嬉しいですね」

縁側に置かれた花が光を浴びて輝く。「見た人が、ぱっと笑顔になってくれると嬉しいですね」

「生長の家の教えを実践することで、良縁が成就(じょうじゅ)したり、病気が治るなどの体験を読んで感動し、『この教えを勉強すれば、きっと幸せになれる』と思ったんです」

 その後も、『生命の實相』(生長の家創始者・谷口雅春著、全40巻。日本教文社刊)『青年の書』(谷口雅春著。日本教文社刊)などを読んで教えを学び、保育士となって、23歳で結婚。義母と同居するようになった。

「義母は厳(きび)しい人だと思い込んでいたんですね。でも、生長の家の教えを学び直し、義母の良いところに目を向けるようにしました。『私のために言ってくれていたんだ』と、感謝の気持ちを持って接するうちに、『義母は観世音菩薩(かんぜおんぼさつ・*2)様』と思えるようになりました」

 そんな高橋さんの姿を見て、夫も信仰に理解を示してくれるようになり、今では夫婦揃(そろ)って生長の家の教えを学んでいる。

「人や物事の美点を見つける日時計主義の考え方は、生け花にも通じます。花や葉の美しさを見出し、それぞれが生かし合う、調和した世界を表現していきたいですね」

 高橋さんは、穏やかな微笑(ほほえ)みを浮かべながら優しく雪柳の花を整え、生け花を仕上げた。

*1=生長の家の布教・伝道の拠点
*2=周囲の人々の姿となって私たちに教えを説かれる菩薩