辻 恵子さん 60歳・石川県小松市 愛用のミシンで小物入れを作る。「私にとってクラフト作りに、このミシンは欠かせません。少し高かったけど、思い切って購入しました」 取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣

辻 恵子さん
60歳・石川県小松市
愛用のミシンで小物入れを作る。「私にとってクラフト作りに、このミシンは欠かせません。少し高かったけど、思い切って購入しました」
取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣

「捨てるものがあったら、私にちょうだい」

 白鳩会員(*1)の辻恵子さんは、機会あるごとに周囲にこう声をかけている。すると兄や弟、生長の家の信徒などから、端切(はぎ)れ、合皮、レースなどが次々に集まってくる。

「周囲の人たちから端切れや合皮、レースなどをいただくので、材料に困ることはありません」

「周囲の人たちから端切れや合皮、レースなどをいただくので、材料に困ることはありません」

「私の実家も絹糸の撚糸(ねんし)工場を営んでいましたが、小松市には絹産業で栄えた歴史があって、繊維会社が多いんです。そこから出る未使用の布や傘の生地などをたくさんいただきました」と、辻さんはうれしい悲鳴をあげている。

 辻さんが布のリサイクルを始めたのは15年ほど前のこと。最初は傘の生地で作るエコバッグだった。傘の骨から生地を外してよく洗ってアイロンをかけ、ミシンで縫う。こうして完成したエコバッグは色合いといい、丈夫さといい、使い勝手といい、周囲の評判を呼んだ。

 その後、いただき物のカーテンの生地で『日時計日記』(生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修、生長の家刊)やティッシュボックスのカバーを作ったり、内装業を営む弟からもらった合皮の素材でポーチを作ったりした。それらを石川県教化部(*2)で開かれた「自然の恵みフェスタ」(*3)に出品すると好評を博した。

上:傘の生地で作ったエコバッグはこれまで200個以上。手前はティッシュボックスのカバーやポーチ/下:『日時計日記』のカバー。「表と裏表紙がきちんと固定されるように何度も作り変えました」と辻さん。しおり用の紐が2本あしらってあるのも工夫した点だ

上:傘の生地で作ったエコバッグはこれまで200個以上。手前はティッシュボックスのカバーやポーチ/下:『日時計日記』のカバー。「表と裏表紙がきちんと固定されるように何度も作り変えました」と辻さん。しおり用の紐が2本あしらってあるのも工夫した点だ

「一朝一夕(いっちょういっせき)に完成品が出来るわけではありません。例えば『日時計日記』のカバーは、日記がきちんと固定され、かつカレンダーのページとその予定がすぐ見られるようにしおりの紐(ひも)を2本取り付けるなどして、納得できるまで3パターンも作りました」

 昨年(2017)8月には、「SNIクラフト倶楽部」(*4)に入部し、お手製のエコバッグやブックカバーの写真とコメントをフェイスブックページに投稿している。さらに、「SNIオーガニック菜園部」(*5)にも入部して、今年の冬にプランターで立派な白菜が収穫できたことを投稿し、喜びを分かち合った。

「手作りしたエコバッグなどを周りの方に差し上げると、とても喜ばれます。それはやはり、物が持ついのちの輝きを感じてもらえるからだと思うんです」

 次の目標は、布コサージュ作りだという。あれこれ工夫する時間さえも楽しいという辻さんの新作が楽しみである。

*1 生長の家の女性の組織
*2 布教・伝道の拠点
*3 自然と調和したライフスタイルの具体例を地域の参加者と共有し、体験・体感する行事
*4 生長の家のプロジェクト型組織の一つ。自然重視、低炭素の表現活動をめざしている
*5 生長の家のプロジェクト型組織の一つ。ノーミート、低炭素の食生活をめざしている