藤山佳江(ふじやま・よしえ)さん 46歳・兵庫県加古川市 取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣 庭の伐採木を削ってスプーンを作る。仕上げにクルミ油を塗り込んで完成

藤山佳江(ふじやま・よしえ)さん 46歳・兵庫県加古川市
取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣
庭の伐採木を削ってスプーンを作る。仕上げにクルミ油を塗り込んで完成

 藤山佳江さんは10年ほど前、生長の家の母親教室(*)で環境問題に関心と意識を向けることの大切さを学んだ。7年前、夫の敬至(よしみち)さんが勤める会社の社宅から、自然豊かな環境に恵まれた今の家に引っ越した。

「山口県の実家の周りにも田んぼや豊かな自然があって、それらはまさに私の心の原風景。その自然を大事にするには、一人ずつが力を出し合わなければならないと学び、生長の家の教えと私の意識がピタリ一致した時期だったと思います」

 不必要な物を買わないことや、宗教的な理由だけでなく環境負荷を考えて肉食をしないこと、コンポストを備えた家庭菜園などを、夫婦で実践しようと考えた。敬至さんは環境に対する関心も高く、夫婦の意識は一致した。

「夫もお肉を食べなくなり、休日には夫と二人で海岸までの約2キロを、1、2時間ほど散歩するようになりました」

 その後、敬至さんは会社までの数キロを徒歩通勤に切り替え、佳江さんは生長の家のプロジェクト型組織の一つであるSNIオーガニック菜園部に入部、有機栽培だけでなく、地産地消(ちさんちしょう)・旬産旬消(しゅんさんしゅんしょう)を心がけ、フードマイレージの低いものを選び、他から奪わない倫理的な生活も心がけるようになった。

上:取っておいた空き箱に、包装紙を切って作った花びらを両面テープで貼って飾りつけ、プレゼント用の箱として再利用する/下:知識を深めるために、ノーミートや環境問題などのテーマごとに、新聞などの記事を保存している

上:取っておいた空き箱に、包装紙を切って作った花びらを両面テープで貼って飾りつけ、プレゼント用の箱として再利用する/下:知識を深めるために、ノーミートや環境問題などのテーマごとに、新聞などの記事を保存している

「去年のバレンタインでは、チョコに代わり、淡路島の玉ねぎを茶色くなるまで炒(いた)め、米粉を加えてマフィンを作りました」

 チョコレートの原料であるカカオの主な産地はガーナやコートジボワール。フードマイレージは高く、輸送に伴う二酸化炭素の排出量も多い。

「それに生産過程で現地の子どもたちが過酷な労働を強いられていると聞き、心を痛め、チョコをやめることにしたのです」

 佳江さんは空き箱や包装紙、古いカレンダーなどを大事に取っている。包装紙を切り抜いて作った花びらを空き箱に両面テープでくっつけ、リボンでくるめば、きれいなギフトボックスの出来上がり。

「病身の義兄の誕生日に、このボックスに部屋着を入れて贈ると喜ばれました」

 ギフトといえば庭の野草や伐採木など、自然からの“贈り物”は無尽蔵(むじんぞう)だ。無駄になるものは何もない。佳江さんは改めて、そう思うのだ。

* 母親のための生長の家の勉強会