田中りか 山口県岩国市出身。平成13年5月に26歳で結婚。現在は福岡市在住。7歳と5歳の子育て真っ最中。母親教室を開催し、ノーミート料理を作って、仲間と語り合うのが楽しみ。生長の家白鳩会員。

田中りか
山口県岩国市出身。平成13年5月に26歳で結婚。現在は福岡市在住。7歳と5歳の子育て真っ最中。母親教室を開催し、ノーミート料理を作って、仲間と語り合うのが楽しみ。生長の家白鳩会員。

 田中さんは、せっかく遠くからお見合いに来るのに失礼があってはいけないと、友達と前日に下見をして下さっていました。お店も表参道に予約していました。そんなことも知らず私は、「タクシーで行きましょう」という田中さんの申し出に、「渋谷からなら一駅だから、もったいない」と地下鉄で行くことを提案したのです。おまけに表参道駅で降りる時に切符をなくすという失態を、会って10分でしてしまったのです。なのに田中さんは、その時笑って冷静に対処してくれました。

 タクシーで行くはずが地下鉄に変えたので、お店の場所が分からなくなり、せっかくの下見が台無しになりました。迷った挙句(あげく)、違うお店に入ると、メニューがフランス語で書かれていて、田中さんが適当に頼んでくれたらサラダばっかり出てきました。そんなハプニングがありましたが、二人で笑って、初めて会ったと思えないくらい会話が弾みました。

 翌日は東京駅まで見送りに来てくれて、誠実で優しくて面白い方なんだということが、すぐ伝わってきました。帰りの新幹線では、「お見合いっていいもんだなぁ」と思っている自分がいました。

イラスト/石橋富士子

イラスト/石橋富士子

 その後、何度か会ううちにお付き合いを申し込まれ、出会いから2カ月後の4月に交際がはじまりました。一緒にいると、笑いが絶えず、楽しくてあっという間に時間が経ちました。彼も私のすることが面白く思えるらしく、温かいまなざしで見てくれました。家族や先祖を大切にしていること、夢を持って努力してきたこと、いつも平常心でいて人に対して優しいことなど、精神面でも尊敬でき、私にはもったいないくらいの男性でした。“魂の半身”に出会えたかもしれないと、何とも言えない喜びが湧き上がってきたのでした。

 そんな中、彼が山口まで会いに来てくれて、父の車でデートしていたある日、途中、カーステレオのボタンを押し間違えて、いきなり父のテープが流れ始めたのです。「人間は神の子です。私たちは……」。それは谷口雅春先生のご講話のテープでした。「なにこれ?」と怪訝(けげん)そうにする彼に、私も家族も生長の家という信仰をもっていることを伝えました。彼はマスコミの影響もあり、宗教に対して不信感を持っていて、ショックを受けたように見えました。

 このことを母に伝えると、「最後には夫の言うことをハイと受け入れると物事はうまく運ぶんだから、彼の言う通りにしなさいね。いつかわかってくれる時が来るはずだから」と言われました。でも私は、これが原因で交際を断られるかもしれないと、泣きそうになりました。あとは神様にお任せするしかないと思い、祈りました。 (つづく)