修子(しゅうこ)さん 72歳・北海道岩見沢市 自宅の2階にある「もったいない工房」で。手にしているのは、洋裁で仮縫いの時に使うしつけ糸を入れる自作のカバー。魚をかたどり、遊び心にあふれている

修子(しゅうこ)さん
72歳・北海道岩見沢市
自宅の2階にある「もったいない工房」で。手にしているのは、洋裁で仮縫いの時に使うしつけ糸を入れる自作のカバー。魚をかたどり、遊び心にあふれている
取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣

 修子さんの自宅2階には、2部屋にまたがる洋裁の作業場「もったいない工房」がある。4台のミシンと古布や端切れなどの収納庫がきちんと整頓され、壁にはリフォームされた衣服やバッグが所狭しと吊(つ)るしてある。修子さんはここに日に6時間以上いることもしばしばあると話す。

「ちょっとがんばり過ぎかな。でもね、やめられないのは私の性分」

上:浴衣をリフォームした花柄が美しい夏のワンピースや、大正ちりめんや大島紬をほどいて作り直したドレスや上着の数々/下:昨年(2017)9月の生長の家白鳩会空知教区大会では、修子さんが自作したドレスのファッションショーが行われた

上:浴衣をリフォームした花柄が美しい夏のワンピースや、大正ちりめんや大島紬をほどいて作り直したドレスや上着の数々/下:昨年(2017)9月の生長の家白鳩会空知教区大会では、修子さんが自作したドレスのファッションショーが行われた

 くすりと笑いながら、工房を始めるきっかけともなった、3人の子育ての日々を振り返ってくれた。

 修子さんは、子どもが小さい時は洋服を全部手作りした。その頃は製図ができなかったので、パターン(型紙)から作っていた。37歳の時に夫を亡くし、それからは女手一つで子どもたちを育て、自立するまで必死に働いた。働き過ぎて体を壊すこともあったほどだった。いくつかの職場を経験したが、その中に有名呉服店や大手ミシンメーカーの販売員の仕事があった。

「ミシンは社員価格で購入できましたし、呉服店で働いたことで着物がますます好きになり、子どもへの仕送りが終わった時、次は私の番と好きな着物を買いました」

 どこにいても、捨てる物は何一つなかった。生長の家の誌友会(*)などでは、「物は物にあらず、神のいのちの現れである」という教えに触れ、「ああ、本当にその通りだ」と深く実感した。

 12年前に再婚してからは洋裁教室に通い、消費者協会の仲間と開いたリフォームの展示会では、「もったいない精神で、ゴミを増さない運動に一役かっているつもりです。捨てるつもりなら寄付して下さいネ」と張り紙をした。すると予想以上に寄付が集まり、それを使って仲間たちとリメイクした。

「着物などがリメイクされて喜んでいるようで、私も嬉しくなりました」

 修子さんは毎年、夫が作るタマネギの収穫を楽しみにしている。皮は布を染めるのに使うからだ。生地が薄茶色に染まるのを見る度、今年はマフラーを何本作れるかなと、わくわくするという。

「これまでお友達から着なくなった着物をたくさんいただき、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。主人も私の洋裁を応援してくれています」

* 教えを学ぶつどい