谷口純子・生長の家白鳩会総裁 撮影/堀 隆弘

谷口純子・生長の家白鳩会総裁
撮影/堀 隆弘

『白鳩』誌は、今月号で通巻1,000号を数えました。このことに因(ちな)み、毎月「日々わくわく」をご執筆いただいている谷口純子・生長の家白鳩会(*1)総裁に、物質的な豊かさを超えた幸せや、自然と調和した暮らしの大切さ、女性として幸せに生きるための秘訣などについて、お聞きしました。(聞き手:水島育子・生長の家本部講師)

──『白鳩』誌創刊1,000号、おめでとうございます。創刊号をご覧になって感じられることなどございましたら、お聞かせいただけますか?

谷口 創刊号が発行されたのは昭和11年ですね。当時としては、画期的な内容であったと改めて思います。一方で男女の社会的地位の違いがはっきりとあった時代ですから、そうした時代背景の中で『白鳩』誌も、男性の書いた文章が前の方にたくさん並んだ後に、途中から女性の文章が始まっていて(笑)、男性中心の時代を映(うつ)していると感じます。

 ただ、誌上相談には離縁した女性の悩みが載(の)っていて、人の悩みはいつの時代も変わらないですね。洋裁のページには、製図を用いて生地(きじ)から作る方法が紹介されていて、この時代の女性は何でも手作りしていたということが分かります。また、お料理のページには、カニと野菜のマヨネーズ和(あ)えをトマトに詰めたサラダのレシピがあって、ハイカラな料理ですから、レベルの高い雑誌であったことがうかがえます。

──最近よく言われる「丁寧(ていねい)な暮らし」に通じるものがありますね。

谷口 当時は今のように物が豊かではなく、子ども服なども手作りされることが多く、お料理も季節のもので、お肉もあまり食べなかったでしょうからね。そういう意味では、いま、生長の家がめざしている、自然の恵みや、身近にある物を感謝して使い、自然と調和して生きる「倫理的な暮らし」に通じるものがあると思います。

 いまはコンビニがどこにでもあって便利ですが、少し面倒で時間がかかったとしても、自分で工夫してお料理をするほうが、美味(おい)しいものができて、豊かな気持ちになりますね。

 ペットボトルの飲み物も、私はほとんど買ったことがなくて、どこにいくのにも水筒にお茶をいれて持参します。面倒くさいと思うかもしれないけれども、丁寧な暮らしをしようと思ったら、そういうところから始めなくてはなりません。お米も自分で精米して、米ぬかは畑に入れて、お米のとぎ汁も庭にまきます。生ゴミはまとめて1日1回、コンポストに入れます。私は虫がいたりして怖いので、いつも夫(*2)が入れてくれるのですが(笑)。それが普通の生活だと思えば、面倒くさいことでも楽しめるようになります。

自然と触れ合う暮らし

──生長の家国際本部が山梨県北杜(ほくと)市の“森の中のオフィス”へ移転するのに伴い、東京から八ヶ岳南麓(なんろく)に移られて4年になりますが、こちらでの暮らしはいかがでしょうか。日課にされていることなど教えていただけますか?

谷口 以前と変わらず、朝は4時45分に起きて、まず神想観(*3)をします。その後は本を読んだり、原稿を書いたり、気候の良い時期は、庭の畑で野菜を収穫したり、季節の花を摘(つ)んだりするのが朝の楽しみになりました。こちらに引っ越してから始めた習慣に、NHKのテレビ体操があります。6時25分から10分間、夫と一緒にテレビを見ながら体操をします。その後、神前で朝のお参りをし、7時から朝食をいただきます。

 夫が出勤した後は、家の事をしたり、原稿を書いたり、日によっては国際本部での会議に出ます。また、夫と共に全国各地で開かれる講習会へ、週末から月曜日にかけて出かけることが多いですから、いかにうまく時間を使うかに気を遣(つか)っています。その日にしたいことをまず書き出し、時計を見ながら、いつまでに終わらせようと決めて、集中して行うようにしています。

 夜は夕食の後、夫は夜遅くまで仕事をしていることが多いですから、お互いに仕事をしているか、本を読んでいるという感じですね。

──こちらは自然が豊かですが、そのことで暮らし方が変わってきたと実感されていることはありますか?

谷口 東京では原宿に住んでいましたから、一歩外に出ると目に入るのは、歩いている人も、お店も流行の最先端といった感じでした。それがこちらに来たら、見るものといえばほとんどが自然ですね。流行などとは全然関係なくて、季節の変化があるだけですが、それこそが新鮮ですね(笑)。

 だから、心に思うことや感じることは、都会にいた頃とは全然違います。何の花が咲いたとか、木の葉が色づいたとか、山ぶどうの実がこの間まで青かったのが、色が濃くなってきたとか。「今日の八ヶ岳はどうかな」と思って見上げると、きれいに見える時もあれば、雲がかかっている時もありますが、それがどんな八ヶ岳であっても、いつもいいなって思いますし、毎日見ていて飽きないですね。自然というのはそのままで、人間に安らぎや喜び、生きる力を与えてくれます。(この続きは本誌をお読みください)

*1 生長の家の女性の組織
*2 谷口雅宣・生長の家総裁のこと
*3 生長の家独得の座禅的瞑想法