
Y.H.さん
山梨県・25歳・団体職員
取材●長谷部 匡彦(本誌)写真●遠藤昭彦
生長の家山梨県教化部(*1)に勤めるY.H.さんは、同教区の機関紙『甲斐(かい)の光』の作成や事務全般に関わる業務のほか、練成会(*2)などの各種行事の運営に携っている。
「信徒さん一人ひとりに、真心を込めて接するように心掛けています」
子どもの頃から、母親に連れられて小学生練成会に毎年参加するようになり、「人間は皆神の子で、素晴らしい」という生長の家の教えを学ぶようになった。
中学3年生の秋に行われた高校受験前の模擬試験では成績が振るわず、第一志望の高校を変えるべきか迷ったが、母親から「あなたは素晴らしい神の子で、無限の力があるから大丈夫!」と励まされ、集中力を切らさず受験勉強に打ち込んだ。
高校の合格発表当日、いまも目に焼き付いている光景がある。
「張り出された合格者一覧に、自分の受験番号を見つけて、校門の外で待っていた母に向けてガッツポーズをとった瞬間、母がぼろぼろと涙を流し始めたんです。その姿を見て、自分は深く愛されていることに気づきました」

左から祖母と母親
高校、大学と順調に卒業し、平成29年4月、山梨県富士河口湖町にあるホテルに就職した。しかし、慣れない社会人生活に加え、朝6時から夜11時近くまでの長時間勤務に体がついていかず、接客で度々ミスを犯したことがあった。
「しばらく経って、急に先輩達から威圧的な態度をとられるようになってしまったんです。配置転換もあったんですが、異動先の先輩とも上手くいかず、常にストレスを抱えるようになり、職場にいること自体が苦しくなりました」
平成30年11月にホテルを退職したYさんは、母親の勧めで、翌月の小学生練成会の運営を手伝った。
「人のお役に立てることに喜びを感じ、暗くなっていた心に光が差し込んだように感じました。気持ちが前向きになれたことで、生長の家の教えをもっと学びたいと思うようになったんです」

右から3人目の三浦晃太郎・教化部長(当時)を囲んで、山梨県教化部の職員と
昨年(2019)2月から、ボランティアとして山梨県教化部の仕事の手伝いを始め、8月から職員として採用された。毎朝仕事を始める前に、「何事にも真心を出すべし」(*3)という言葉を唱えているうちに、気が付いたことがある。
「ホテルに勤務していた時のことを省みると、休日はいつも遊びに出かけたりして、体調管理が出来ているとは言えませんでした。それは、仕事に真心を尽くしていたとは言えなかったと思います。厳しかった先輩達は、早く一人前のホテルマンになってほしいという思いで、自分に接してくれていたのかもしれません。これからも感謝の気持ちを忘れずに、丁寧に仕事に取り組みたいと思っています」
そう言ってYさんは微笑んだ。
*1 生長の家の布教・伝道の拠点
*2 合宿して教えを学び、実践するつどい
*3 『生長の家』信徒行持要目にある言葉