Y.S.さん 25歳・通訳 取材●中村 聖(本誌)写真●遠藤昭彦

Y.S.さん
25歳・通訳
取材●中村 聖(本誌)写真●遠藤昭彦

 Sさんは、中国語の通訳や企業のレセプションなどで司会を務めるほか、美容サロンの海外展開をサポートする業務にも携るなど、幅広い分野で仕事に取り組んでいる。

「美容サロンでは、『コスメコンシェルジュ(*1)』の資格を活かし、アレルギーなどについて、お客様へアドバイスをしています。色々なことに挑戦しながら、自分の可能性を広げていきたいですね」

 Sさんは高校時代、世界の貧困問題に関心を持ち、フェアトレード(*2)の啓発活動などに取り組んだ。

「ある動画を観て、チョコレートの原料であるカカオを栽培するために、子どもたちが低賃金で働かされ、危険な作業に携っていることを知りました。チョコレートを食べることで、自分が知らないところで、間接的に子どもたちを傷つけていると分かり、ショックを受けたんです。小さい頃に、祖父や母を通して生長の家の教えに触れ、人に愛を与えることの大切さを学んでいたことも大きかったと思います」

 高校卒業後、県内の大学に進学したSさんは、中国語が堪能な先輩の影響で、中国について興味を持ったという。

「大学では中国語を専攻し、中国人の教授のもとで学ぶなかで、急成長している中国についてもっと深く知りたいと思うようになりました。それで、2年生のときに大学を辞め、中国の北京にある大学に入学し直したんです」

 留学中は、異なる文化のなかでたくさんのものを吸収した。また、恵まれない子どもたちを励ましたいという思いで、東南アジアに仲間と一緒に赴き、ボランティア活動にも取り組んだ。

hidokei121_make_7「現地のスラム街で音楽を流して、みんなで踊ったりして一緒に遊びました。最初は怪訝な顔をしていた子どもたちが次第に心を開いて、笑ってくれたのが嬉しかったですね。彼らに将来の夢を尋ねると、どの子もみんな『夢はない』って言うんです。でも、本当はみんなやりたいことがあるはずで、『彼らが夢を持てる世界にしたい』と改めて強く思いました」

 そんなSさんだが、高校時代には担任の教師と折り合いが悪く、両親との関係もぎくしゃくしてしまい、悩んだ時期がある。

「その頃のことが心のどこかに引っかかっていて、ずっと自分に自信が持てないでいたんです。でも、1年位前に、生長の家の宇治別格本山(*3)で浄心行(*4)を受けたことで、心のなかのわだかまりがすっと消えました。自分を支えてくれた両親に対して感謝が足りなかったと反省し、それから毎日『日時計日記』(*5)に、自分と両親のいいところを書くようにしています」

 いまSさんは、中国と日本の交流を深める活動にも精力的に携っている。

「尊敬していた祖父が、生前に『感謝が大切だよ』とよく言っていたのを憶えています。いつも感謝の心を大切にして、自分を信じて前に進んでいくことが大事だと思います。これからも、一人でも多くの人の笑顔のために、努力していきたいと思います」

*1 あらゆる肌の悩みに対し、最適な化粧品を選び出せるプロフェッショナルであることを証明する資格
*2 発展途上国から適正な価格で原料や製品を購入し、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を促す貿易のしくみのこと
*3 京都府宇治市にある生長の家の施設。宝蔵神社や練成道場などがある
*4 過去に抱いた悪感情や悪想念を紙に書き、生長の家のお経『甘露の法雨』の読誦の中でその紙を焼却し、心を浄める行
*5 日々の生活の中の喜びや、明るい出来事などを記録する日記。生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修、生長の家刊