
永井 暁(ながい・あかつき)
生長の家本部講師補
1973年生まれ。生長の家国際本部勤務。SNIクラフト倶楽部に所属し、木工づくりが得意。生長の家聖歌隊でテナーパートを担当。
進学や就職などで新たな生活が始まる4月。未来への大いなる希望を抱いている人もいる一方で、未来に不安を感じている人もいるかもしれません。そこでお勧めしたいのが「日時計主義」の生活法です。これは、日時計が太陽の輝いている時だけ時間を示すように、日々の喜びや感動、感謝したいことなど人生の明るい面を記憶し、語り、思い出す生活法のことです。
「心の習慣」をプラスに変えよう
多くの人は、その日に一つでも嫌なことがあると、たとえ他にうれしかったことがあっても、一つの嫌なことに引っかかり、何度も心の中で繰り返す傾向があります。これは、「○○な一日であれば良い」という自分の理想の尺度があり、それに反するものは避けたいと思うが故に繰り返し思ってしまう“心の習慣”があるからです。そんな心の習慣をプラスに変えるためには、意識的に人生の明るい面を見ていくことが必要です。その練習となるのが『日時計日記』の活用です。
日常に起こるさまざまな出来事から、宝探しのように良いことだけを見つけて日記のページを埋めていきましょう。もし良いことが見つからない時は、身の回りのことに感謝してみましょう。住む家があり、電気・水道・ガスが使え、食事ができ身体が動き、勉強や仕事ができることなど。ありがたいことは数え上げたら切りが無く、そんなあたり前が本当は最高に素晴らしいことだと実感できるはずです。
『日時計日記』で生きる喜びが生まれる
ここで私の体験を紹介します。
結婚後、法事で親戚と会う機会が多くなりましたが、何を話せば良いか分からず、法事に行くのが毎回億劫になっていました。
そんなときに始めたのが、『日時計日記』に“祝福の祈り”の言葉を書くことでした。具体的には、親戚一人一人の名前を書いた後に、「親戚の人は皆、身健やかに、心美しく、相形美わしく、和顔愛語讃嘆(*)に満たされたり」と書き続けました。すると、次第に親戚の人と笑顔で楽しく会話している光景が脳裏に浮かび、法事に行くのも楽しみになりました。
こうして迎えた法事の日、下車した駅に車で迎えに来てくれたのは、最も話しづらかったいとこ。「何を話そうか?」と不安がよぎりましたが、「『日時計日記』に書いてきたから大丈夫!」と思い直した次の瞬間、「遠方からありがとうございます。元気そうですね!」と先に話し掛けてきたのはいとこの方でした。不安は吹き飛び、その後も楽しい会話ができたのです。
このように、『日時計日記』に祈りの言葉を書き続けたことで、ぎこちなかった私も話しやすい雰囲気になったのでしょうか、ほかの人との会話も弾み、有意義な法事を過ごすことができました。
毎日の生活の中には良いことも悪いこともありますが、良いこと、ありがたいこと、人を祝福する言葉などを『日時計日記』に書いていると、それまで気がつかなかった周りの良いことにも気がつくようになります。周囲の人・物・事がパッ! と明るく変化したように感じ、生きる喜びが感じられることでしょう。
* なごやかな顔とやさしい言葉で、ほめること
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