Q 小さい頃からものをつくることが好きで、木工が得意なこともあり、高校卒業後は家具職人になろうと思っているのですが、両親に反対されていて悩んでいます。両親からは大学に進学して、できれば公務員などの安定した職業について欲しいと言われました。両親が心配してくれる気持ちも分かりますが、自分としては早く社会に出て、手に職を付けたいという思いもあり悩んでいます。どうしたらいいでしょうか。(18歳、男性)

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A あなたの幸福を願う両親の愛を、素直に受け取ることが大切です。

 回答者 千羽真平(ちば・しんぺい) 生長の家本部講師補 約7年間の不登校と度重なる受験失敗を経て、宇治練成会で救われる。美大や家具製造で培った木工技術をSNIクラフト倶楽部で生かしている。

回答者
千羽真平(ちば・しんぺい)
生長の家本部講師補
約7年間の不登校と度重なる受験失敗を経て、宇治練成会で救われる。美大や家具製造で培った木工技術をSNIクラフト倶楽部で生かしている。

 私も、ものづくりが好きで家具製造をしていた時期がありました。職人の世界は長い修業期間が必要ですので、あなたがすぐにでも飛び込みたい気持ちはよくわかります。そして、両親の心配する気持ちを理解できる優しいあなただけに、両親の反対がもどかしく悩ましいことでしょう。

自分を見つめ直す

 では両親はなぜ反対するのでしょうか? きっと、職人の世界の不安定さや厳しさから、あなたを愛するが故に「もっと安定した職業についてもらいたい」と話されたのだと思います。もちろん半端な覚悟では、反対されても仕方ありません。

 だからまず、自分自身の心に問いかけてみましょう。これは私の本心からくる願いか、どんな苦労があろうと職人の世界に生命を懸ける覚悟があるか、今一度深く自分を見つめ直してください。その意志が揺るぎないものであるなら、どんな壁でも乗り越えられるはずです。その真剣な思いを両親へ伝えましょう。もちろん、すぐに承諾してくれるとは限りません。しかし、必ず同じ方向を向ける時がやってきます。なぜならあなたも両親も本当は一つの同じゴールだけを願っているのです。

 それは「あなたがただ幸福であってほしい」ということです。両親が心配し、安定を求めるという形で幸福を願ってくれるのは、それだけあなたが愛されているからです。両親は誰よりもあなたのことを想い、愛してくれている存在です。形や表現の奥にある両親の「愛」を味わいながら、感謝を深めてください。

素晴らしい未来が待っている

 心配という表現の奥にある、両親の本当の愛を素直に受け取った時、きっとあなたの心は満たされていることでしょう。あたたかく懐かしいような、あるべきところにあるような気持ち、心の底から「ありがたい」という気持ちが湧き上がってきます。そのとき初めて対立などどこにもない未来、たとえこの先に苦労があっても、後悔なく乗り越えていけるような未来、両親も自分も共に喜んでいる未来を想像することができるのです。

 社会に出てからあなたの夢が始まるわけではありません。今の想いや行動が、あなたの未来を築きあげていくのです。将来のため、今からできることはいくらでもあります。若くして夢を持ち、相手の気持ちに寄り添えるあなたならば、必ず素晴らしい未来が待っています。そんなあなたに育ててくれたのもまた、両親の愛でしかないのです。

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