Q 昨年の春に、希望していた大学に入学することができたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、講義はすべてオンライン授業となってしまい、結局1年生の間は一度も実際の講義を受けることができませんでした。友人を作る機会もありませんでしたし、オンラインだけの授業に高い授業料を払うのにも納得がいきません。景気も悪化するなかで、ちゃんと就職できるかも不安で悩んでいます。どうしたらいいでしょうか?(19歳、男性)

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回答者 小田川浩三(おだがわ・こうぞう) 元公立高校教諭。生長の家教職員会会長。生長の家地方講師。趣味は読書、自転車、クラフト製作。

回答者
小田川浩三(おだがわ・こうぞう)
元公立高校教諭。生長の家教職員会会長。生長の家地方講師。趣味は読書、自転車、クラフト製作。

A 物事の明るい面を見て感謝し、周囲に愛を与え、今置かれている環境で最善を尽くしていきましょう。

 まずは、希望大学にご入学、おめでとうございます。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、オンライン授業等により、憧れのキャンパスライフを送れないとのことで、さぞ残念なことでしょう。

今の環境を最大限に活かす

 このような状況で大切なことは、「今、置かれている環境で、感謝して最善を尽くす。環境を最大限に生かす」ことです。生長の家では、「日時計主義(*1)」の生き方をお勧めしています。

 谷口雅宣・生長の家総裁の著書『日時計主義とは何か?』(生長の家刊)には、次のように記されています。

「生長の家は『世の中の明るい面』『楽しい面』『素晴らしい面』に注目して、それを『コトバの力(*2)』によって褒めたたえ、引き出すことによって、すでにある『神の世界』をこの地上に現すための運動であります」(132ページ)

 かつて歴史の中で、感染症の拡大がその後の社会を大きく変えた例があります。ヨーロッパでのペストの流行や、日本における江戸時代のコレラの大流行と、その後の社会の変革等々。現代の新型コロナの流行の中、困難を乗り越える方法として注目されているものに、IT(情報技術)があります。ポストコロナ時代の社会では、ますますITの利用が加速されるでしょう。 

 ゆえに、学生として学業に関する修得はもちろんですが、IT──特にオンライン技術のスキルアップ等にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 オンラインのメリットとして、オンデマンド型授業では、学生が自分の時間配分で学習できる──今までの教える側中心の時間割から、学ぶ側の基準の時間割になっていくだろうといわれています。また、都内の大学に通う3年生の男子学生の声として、通学の時間がいらないため、かえって好都合だと、現状を受け入れる意見もあります。

困難を克服するために

 そうしたなか、学生たちも動き出しています。困窮学生を支援するために、大学生グループがオンラインで1万人の署名を集め、文部科学省に提出しました。また、病気で登校できない小中学生にオンラインで勉強を教える大学生の取り組み等も行われています。一方で、学生の学ぶ意欲の維持・高揚やメンタルケア等、大学や社会の側からの対策も必要になってきていることもあります。

 まずは、物事の明るい面を見て感謝し、今やるべきことをしっかりやっていくこと、そして周囲に愛を与えることが、困難を克服する最も大切な生き方であると思います。その中から、友人や就職等のことは不安材料ではなく、前向きにレッスンとして取り組んでいくことです。

 コロナの収束と学生の皆さんの幸福をお祈りします。

*1 日々の生活の中の喜びや感動、明るい出来事などに心を向ける生き方
*2 コトバには善きにつけ悪しきにつけ、物事を成就する力があると生長の家では教えている。ここでいうコトバとは、口から発する言葉のほかに、思念や表情も入る

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