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 私が夫と出会ったのは、会社の上司が設けてくれた職場の食事会でした。彼とは一度も話をしなかったものの、帰り際に彼に呼び止められて、LINEの交換をしました。落ち着いた優しそうな人という印象だった彼と、その後、交際するようになるとは思いもしませんでした。

 信仰を受け入れてくれた

 最初は友人としてLINEのやりとりを続けていましたが、二人でご飯を食べに行くことになり、その2回目のときに、彼から唐突に「宗教に何かこだわりはありますか?」と聞かれました。私は生長の家の信仰をもっていましたが、知り合ったばかりの人に信仰のことを打ち明けるには抵抗がありました。でも、思い切って生長の家の教えのことや、地元の生長の家青年会(*1)に所属していることを包み隠さずに話しました。

 私の話に彼が興味を示してくれたのが嬉しくて、私は「人間は神の子である」とか「天地の万物に感謝せよ」という教えに基づき、すべてのものに感謝する生活を実践していることを伝えました。すると、「すばらしい活動をされているんですね」と好意的に受けとめてくれました。私は彼がなぜそんな質問をしたのかと思い、逆に彼に尋ねると、「カトリックを信仰しているので、お付き合いをするなら、結婚を前提に考えています」と告白されたのです。

 彼のことはよく知らなかったものの、正直で嘘がつけない人柄だと感じました。さらに、私が信仰をもっていることも否定せず受け入れてくれたことで、心の距離が縮まったように思い、彼との交際を始めることにしました。

 わたしが大切にしていること

 交際を始める前に、私は仕事の人間関係で悩みを抱えていました。私は仕事の工程を調整しながらシフト管理などをしていたのですが、決めた通りに動いてくれない人たちがいて、仕事が上手く進まなくなっていたのです。

 それでも私は生長の家で、物事の明るい面を見る「日時計主義」の生き方を学んでいたので、「本来悪い人はいない。たとえ苦手な人がいても、必ず良い所がある」と思いながら、職場の人たちと話し合いをしました。そうするうち、一人ひとりに合った仕事の進め方を見つけることで物事が進むようになり、相手を尊重することの大切さを感じました。 

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 彼と交際を始めたときも、お互いに無理をせず、歩み寄れるところは歩み寄りながら相手を尊重し、自分から相手に押し付けることはしないようにしようと彼と話し合いました。その上でお互いがどういうことを学んでいるのかを知るため、私がカトリックのミサに参加して神父の説教を聞いたり、彼にも生長の家の誌友会(*2)に参加してもらったりして、相手の信仰を理解するようにしました。

 彼との交際が深まり、具体的に結婚を意識するようになってからは、「結婚式は?」「結婚したら宗教は?」「子どもが産まれたら、子どもに信仰をどう伝えようか?」といったことも、「どうしたら私たちにとって一番いいのか?」を二人で考えていくことにしました。

 その後、私たちは結婚しましたが、彼からも彼の両親からも、私がキリスト教徒になることは求められませんでした。私には生長の家の信仰があり、すべてのものの奥には「神のいのち」「仏のいのち」が宿っていると信じているので、彼の信仰も抵抗なく尊重できるのだと感じています。

 現在は子どもも生まれて、子育ての最中ですが、保育園に送っていくときも、道端のお地蔵さんに子どもと手を合わせ、すべてのものを拝む心を子どもに伝えたいと思っています。

 自分の恋愛体験を振り返ると、幸せな恋愛を育むためには、お互いの考え方や価値観の違いをよく理解するために話し合い、お互いに尊重し合うということが何よりも必要だと思います。

*1 12歳から39歳までの生長の家の青年の組織
*2 教えを学ぶつどい

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井澤春華(いざわ・はるか)さん・31歳

生長の家青年会員。夫と2歳の娘と3人暮らし。太陽光発電、蓄電池を設置した家を新築。菜園にも挑戦する予定。