Q 小さい頃から、「人間は死んだらどうなるんだろう」とずっと疑問に思っていました。学校で仲の良い友達と遊んでいても、ふとした瞬間にそんなことを考えて、気持ちが落ち込んでしまったことも度々あります。キリスト教や仏教などでは、どのように「死」というものを考えているのか知りたくて、自分なりに調べてみましたが、死に対する恐怖心を拭えないでいます。どうしたら、死に対して恐怖心を持つことなく生活することができるでしょうか?(22歳、女性)

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A 心開いて師や友と語り合う中から、死への恐怖心は、「今」を生きる悦びへと変わっていきます。

久都間 繁(くつま・しげる) 生長の家本部講師 生長の家埼玉教区・群馬教区教化部長。1960年静岡県生まれ、立命館大学文学部哲学科卒。最近の趣味は『正法眼蔵を読む』(谷口清超著)の精読と構造主義哲学の研究。自然栽培。

久都間 繁(くつま・しげる)
生長の家本部講師
生長の家埼玉教区・群馬教区教化部長。1960年静岡県生まれ、立命館大学文学部哲学科卒。最近の趣味は『正法眼蔵を読む』(谷口清超著)の精読と構造主義哲学の研究。自然栽培。

 人生の門出(かどで)にあるあなたにとって「死」は、未知で謎めいた“底知れぬもの”として心の眼に映ることでしょう。かつての私も、周りの誰も気に留めなかった死を、あなたと同じように不条理で空虚な暗闇のように感じて、恐れていた時期があります。

未知の暗に、光を照らす

 死への恐怖心を拭うためには、この世界と、あの世と言われる霊界との関係や、死後に魂がたどるとされる旅路のことを、壮大な物語を読むような気持ちで理解してみることも、一つの大切な方法です。そのためには、国際的に評価されている科学者や宗教者が書いた「死後の世界」についての記述が幾つか残されていますので、それらを読んでみましょう。

 たとえば、スイス出身の精神科医エリザベス・キューブラー・ロス女史が一般向けに優しく書いた『死後の真実』(日本教文社刊)や、生長の家創始者・谷口雅春師の著書『霊供養入門』(世界聖典普及協会刊)『生命の謎』(日本教文社刊)などがお勧めの本となります。

 さて、いつの間にか私も人生の半ばを遙かに過ぎて、多くの親しい方との別れを幾度も経験してきました。家族、恩師、友人たち。彼らとはもう直接会って話すことはできませんが、心を開いて何度も人生のこと、生きることの悩みや苦しみ、悦びを分かち合い語り合った人とは、彼らがこの世を去った今も、私の中にその存在をはっきり感じることができます。そして故人のことを想い出す度に、私にしてくださったことへの感謝と、托された“想い”とが温かく私を応援するように蘇ってきます。

恐怖心から「今」を生きる喜びへ

「死」への恐怖心をはじめ、人生での苦悩や困難は、後で振り返ってみると決して悪いものではありません。それを克服しようとするあなたの元には、やがて様々な協力者が現れ、あなたの魂を温かく導くことでしょう。あなたはその方たちとの対話を通して、人から寄せられる無償の愛や優しさ、そして誰かの悩み苦しみを、より深く理解できるようになります。そして、限られた時間の中に人生があることの意味や、この世界で自分が果たさなければならない、大切なことを学ぶことと思います。

 宗教的に見れば、私たち人間には神さまと同じ素晴らしい神性が内在しています。人生経験を重ね、善き人たちとの対話を通して、それはゆっくりと花開き、死への恐怖心は、やがて掛け替えのない「今」を生きる深い悦びへと変貌していくことでしょう。それでは、善き出逢いと、豊かな語らいの日々を祈っています。

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