山本英夫(やまもと・ひでお)さん│71歳│佐賀県基山町 通い慣れた生長の家佐賀県教化部の正面玄関の前に立ち、晴れ晴れとした笑顔を見せる山本さん 取材/多田茂樹 写真/近藤陽介

山本英夫(やまもと・ひでお)さん│71歳│佐賀県基山町
通い慣れた生長の家佐賀県教化部の正面玄関の前に立ち、晴れ晴れとした笑顔を見せる山本さん
取材/多田茂樹 写真/近藤陽介

神想観を実修し、心の雑念を消して一日を始める

 山本英夫さんの一日は、神想観(*1)の実修から始まる。午前6時、床の間に掲げてある「實相軸」(*2)の前に正座し、招神歌(かみよびうた)(*3)を唱え、神想観を実修した後、仏壇の前に座り直し、聖経『甘露の法雨』(*4)を読誦して先祖供養を行うのが日課だ。

「人間には、いろんな雑念が湧くものですが、神想観をすることで雑念が消え、心が浄化されるんです。毎朝、心の掃除をして一日を始められるわけですから、神想観ほどいいものはありません。続けることで、何が一番変わったかというと、『神様は絶対善だから、何が起きても大丈夫。必ずよくなる。万事好都合だ』と、常に前向きに生きられるようになったことですね」

佐賀県教化部の「祈りの間」で神想観を実修する

佐賀県教化部の「祈りの間」で神想観を実修する

 山本さんが生長の家の教えに触れたのは、平成21年のこと。義母が熱心な信徒だったため、誘われて生長の家の講演会に参加したのがきっかけだった。

「話をする講師の方や参加している皆さんが、とっても明るい雰囲気だったので、惹かれるものを感じました。また、物事のよい面、明るい面を見るという日時計主義の教えも心に残りました」

 その後、勧められるまま相愛会(*5)に入り、生長の家の活動もするようになった。実直な人柄の山本さんは、佐賀県教化部(*6)で開かれる練成会(*7)などの行事に、欠かさず参加して教えの研鑚に励んだ。そして翌22年には相愛会長(*8)となり、毎月、佐賀県教化部で開かれる相愛会長会議にも休むことなく出席した。

奥津城で見た虹を思い出し、大役を喜んで引き受ける

 それから4年経った平成26年10月、思いもかけなかった話が山本さんのもとに寄せられた。定期役員改選で、生長の家相愛会佐賀教区連合会長に選ばれたのである。

「寝耳に水とはこのことで、驚きました。相愛会長として真面目に務めていたので、白羽の矢が立ったのだと思いますが、生長の家の教えに触れてまだ日も浅い私が、こんな大役を受けていいんだろうかと、真剣に悩みました」

 迷っていた時、ふと思い出したのは、その年の1月、生長の家総本山(*9)で開かれた新春練成会の歳旦祭に参加し、妻の都子さんと谷口家の奥津城(おくつき)(*10)を参拝したことだった。

 小雨の中、坂道を登り、奥津城に到着すると、雨が止んで雲の切れ間から日が差した。その瞬間、奥津城の後ろにきれいな虹が立ち、谷口雅春先生(*11)から祝福していただいたような気がしたという。

「その時の感動が思い出され、谷口雅春先生のご愛念に応えるためにも、選挙の結果をハイと素直に受け止め、喜んで相愛会教区連合会長のお役を受けようと決意したんです」

神様と波長を合わせているとすべてが良い方に進んでいく

 こうして生長の家相愛会佐賀教区連合会長となった山本さんは、それを機にいっそう信仰を深めることになった。「人の上に立つには祈るしかない」と、以前にも増して神想観に励むようになったのである。

「正直言いますと、神想観もそれまではやったりやらなかったりでした(笑)。でも、やらなければならない立場を与えられたことが幸いして、毎朝、神想観に励むうちに、それまでの私の中にあった、病気になるんじゃないか、何か不幸に見舞われるんじゃないかといった恐怖心のようなものが消え、善なる神を信じられるようになったんです。性格も明るく変わり、家内も驚いていました」

最近は、有志とともに自転車に乗って愛行に出かけているという

最近は、有志とともに自転車に乗って愛行に出かけているという

 神想観によってもたらされた心境の変化は、相愛会の活動にも好い影響を与えた。山本さんは、月に1回、相愛会員の有志と市内各地で生長の家の月刊誌を使った愛行(*12)を開始。また、市内でクリーンウォーキングを行い、自然に与え返そうと、「有明海岸の森林(もり)づくり」の育林活動にも参加するようになった。

「どんな行事も、参加者の皆さんと祈ってから始めることもあってか、不思議なことに、そういう日は、必ずと言っていいほど天候に恵まれるんです。たとえ朝、雨が降っていても、その時間になると、ぱっと雨が上がってくれる。やっぱり、日頃から神想観をして神様と波長を合わせていると、天候さえも味方してくれるんだと実感しました」

 相愛会教区連合会長になってからというもの、車で県内各地に出向く機会が増えた山本さんだが、5年ほど前のある日、誌友会(*13)に出講するため、一般道を走っていた時、こんな体験をした。

「突然、高齢者の運転する車が、信号のない左側の脇道から飛び出してきて左に曲がったんです。急ブレーキをかけても間に合わないと思い、とっさに右にハンドルを切り、対向車線に車を止めて、事なきを得ました。その時は夢中だったので何も思いませんでしたが、後になって、もし、対向車線を車が走ってきていたらと考えると、ぞっとしました。ああ、神様に守られていたんだなとしみじみ思ったものです」

「無駄なことは何一つない」「継続は力なり」を実感して

 相愛会教区連合会長を2期、6年にわたって務めた山本さんは、昨年(2019)秋、定年のため勇退した。現在は、新しい教区連合会長の後見役として活動に励んでいる。

「あの時は、大変な役をいただいたと思ったものですが、その役を務めたことで神想観に目覚め、神様との一体感を深めることができたわけですから、今は感謝しかありません。神想観を通して、『無駄なことは何一つない。すべて善し』と思えるようになりました。継続は力なりですから、これからも神想観を続けて、『人間・神の子』の自覚をより深めていきたいと思います」

 きっぱりとそう言って、山本さんは快活に笑った。

*1=生長の家独得の座禅的瞑想法
*2=「實相」と墨書された、生長の家信徒の家に掲げられた軸のこと
*3=生長の家独得の座禅的瞑想法である神想観実修の時に唱える神をよぶ歌
*4=生長の家のお経のひとつ。現在品切れ中
*5=生長の家の男性の組織
*6=生長の家の布教・伝道の拠点
*7=合宿形式で生長の家の教えを学び、実践する集い
*8=相愛会の末端組織の長
*9=長崎県西海市にある生長の家の施設
*10=谷口家の墓所。生長の家総本山の境内にある
*11=生長の家創始者、昭和60年昇天
*12=生長の家の月刊誌頒布などの愛の行い 
*13=生長の家の教えを学ぶ小集会