谷川 豊(たにかわ・ゆたか)さん│42歳│鳥取県大山町 取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘

谷川 豊(たにかわ・ゆたか)さん│42歳│鳥取県大山町
取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘

 谷川豊さんは、メンタルカウンセラーなどの仕事の傍らアマチュアのオカリナ奏者として、老人ホームや地域のイベントなどで演奏を重ね、多くの人の共感を呼んでいる。昨年(2019)の10月中旬、自宅を訪ね、早速、オカリナの演奏を聴かせてもらった。

ヨガや瞑想を行う際に用いる楽器。鳴らすと澄んだ音が響く

ヨガや瞑想を行う際に用いる楽器。鳴らすと澄んだ音が響く

 曲目は、唱歌「故郷(ふるさと)」。秋晴れの空に、谷川さんの紡ぎ出す、素朴で温かいオカリナの音色が吸い込まれていく。そしてその音色は、風の音と一つになり、辺りが心地良い雰囲気に包まれた。

「オカリナは、土器のように粘土を焼成して作るため、自然素材だからこその優しい音色が特徴なんです。屋外で吹くと、自然との一体感を味わえるだけでなく、心が癒やされます」

 オカリナを始めたのは約20年前。そのきっかけはひょんなことからだった。 

 当時、飲食店で働いていた谷川さんは、休みの日に何か習い事をしたいと考えて探していると、たまたま休日にオカリナ教室が開かれていることを知った。

クリスタルボウルと呼ばれる楽器は、独特の高周波音に心身のリラックス効果があるという

クリスタルボウルと呼ばれる楽器は、独特の高周波音に心身のリラックス効果があるという

「実は、当時の職場がたくさんの古墳や史跡に囲まれており、私は、お客様の史跡ガイドもしていました。 埴輪(はにわ)や土器などの出土品も発掘されていて目にする機会も多く、それと素朴なオカリナのイメージが重なり、何か運命的なものを感じて習い始めたんです」

 続けるうちに、郷愁を誘う優しい音色に魅了され、心が癒やされていくことに気づいた。老人ホームや保育園などで演奏を披露するようになったのも、その癒やしを人と共有したいという思いからだった。

「演奏を聴いてくださり、笑顔になった人を見ると、自分も元気をもらえます。人の喜びは、自分の喜びにもなるんだということがよく分かります」

 両親を通して生長の家の教えに触れた谷川さんは、小中学生の頃から、同級生たちと青少年練成会(*1)などに参加して、「人間は神の子である」という教えを学んだ。その後、大阪の飲食店で働きながら学校に通っていた20歳の時、全身に出たひどい湿疹に悩み、母親に勧められて、大阪教化部(*2)で個人指導を受けた。

 講師から「ここに来られたのはご先祖様の導きですね。宇治別格本山(*3)に行ったら必ず治りますよ!」と言われ、同本山の練成会に参加することを決意。不思議なことに、決意したその日からみるみる症状が軽減し、10日間の練成会を終えた頃には、湿疹がすっかり消えていたという。

「病気でも何でも、まずは生かされていることを歓び、全てに感謝して明るく楽しく生きると、神の子と しての完全円満な本来の姿が現れ、乗り越えられるということを学びました。そして、ご先祖様の守護と導きを体感したこの体験は、私の生き方を変えました。オカリナの演奏にも生きています」

 まだ演奏技術は未熟と謙遜する谷川さんだが、時間を見つけてはオカリナの練習に励む日々を送り、依頼があれば、どこにでも出向いて演奏したいと意欲を燃やす。

「縁あって私の手元に来てくれたオカリナたちと共に、これからも聴いてくださった人の心が、ほっと和むような音楽を届けていけたらと思っています」

 優しいオカリナの音色は、谷川さんの人柄そのもののような気がした。

問い合わせ:09071332724(谷川豊)

 

*1=合宿形式で生長の家の教えを学び、実践する集い
*2=生長の家の布教・伝道の拠点
*3=京都府宇治市にある生長の家の施設。宝蔵神社や練成道場などがある