三好雅則(みよし まさのり)  昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

三好雅則(みよし まさのり) 
生長の家本部講師。昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

 近頃、歳月の流れが妙に速くなったように感じる。年が明けたと思ったらお盆、そして、すぐ年末に手がかかってしまう。「時計の時間(*)」は一定の速度で流れているのに、「心の時間」は伸縮するのである。

 その要因について、一川誠・千葉大学教授は、①実際に経過した時間をベースに、②体験される出来事の数、③時間経過に向けられる注意、④他の感覚からの刺激、⑤感情、⑥身体の代謝などが影響するという。実際、楽しい事、興味ある事をしている時間は短く、嫌な事をしている時間は長く感じられる。

 同教授によると、②が多く、⑥が高いほど「心の時間」は速く進むため、相対的に「時計の時間」がゆっくり進み、長く感じられ、逆にこれらが少なく、低いほど「心の時間」はゆっくり進むので、相対的に「時計の時間」が速く進み、短く感じられるそうだ。確かに、代謝が活発だった20代の頃は、毎日多くの新しい出来事に彩られ、月日の流れが遅く一年が長かった。

イラストは筆者

イラストは筆者

 が、加齢で代謝が落ち、②が心理的に減少するので、「心の時間」は遅くなり、相対的に「時計の時間」が速く感じられるわけだ。

 こうした「心の時間」の特性を使えば、充実した時間を心理的に長く過ごすことができる。一つは代謝の高い午後から夕方、あるいは軽い運動で代謝を上げてから事に当たること。もう一つは、狭い室内に留まらず、鳥の囀りや風の音が聞こえる自然の中で過ごすことだ。

 視聴覚や嗅覚、触覚への刺激がそれぞれ②として認識され、それが増えるため、心は充実し、その「時計の時間」が長く感じられる。ぜひ、お試しあれ。

参考文献
●一川誠著『「時間の使い方」を科学する』(P‌H‌P新書)、『大人の時間はなぜ短いのか』(集英社新書)他

*=時間は現在、セシウム原子の共鳴周波数を基準に決められており、精度は1万年から10万年に1秒の誤差