
写真1
2年前の2019年12月下旬、日本最大のツルの渡来地と言われる鹿児島県出水(いずみ)市に出かけました。
この地には、毎年10月下旬頃から12月にかけて、1万羽を超えるツルが越冬のためにシベリアから渡ってきて、3月頃まで滞留します。その渡来数はもちろん、種類の多さも日本一と言われ、世界に15種あるツルのうち、ナベヅル、マナヅル、クロヅル、カナダヅル、ソデグロヅルなどをはじめ、数年に一度渡来するものを合わせると、7種ものツルが渡来します。
そのため、「鹿児島県のツル及びその渡来地」として、国の特別天然記念物に指定されています。

写真2
ツルが渡来する冬の時期だけオープンする「ツル観察センター」の2階から眺めると、周辺の田んぼは、たくさんのツルで大混雑していて、その数の多さに圧倒されました(写真2)。
空を飛ぶツルを撮っていて気付いたのは、ほとんどのツルが2羽から4羽で行動していたことでした。
観察センターの方に話を聞くと、それは家族であり、2羽は夫婦、3羽、4羽は夫婦と子どもだそうで、1羽で飛んでいるツルは相手を探しているのではないかということでした。
あんなにたくさんいるツルの中から、家族の見分けがつくのは凄いなと思いましたが、ツルは一度夫婦になるとその相手と一生添い遂げるという話を聞いて、その絆の深さが思いやられ、なるほどと納得したのでした。
写真1は、そんなツル(マナヅル)の、愛らしい求愛ポーズです。今度は朝日を背景に撮るために、またいつか訪れたいと思いながら、観察センターを後にしました。(次回は、鹿児島県薩摩半島の南端にある開聞岳を紹介します。)